KTMグループを担うオーストリアの法人KTM AGの再建計画が債権者によって承認されました。昨年再建手続きに入ってから生産を取りやめていたものの、2025年3月中旬から生産が再開される予定です。KTMは近年、経営面で厳しい局面を迎えていましたが、今回の決定によって復活の道筋が見えてきました
再建計画の詳細と生産再開の見通し
KTM AGは、2024年11月29日に自己管理による法的再建手続きを申請。この手続きでは90日以内に債権者と合意を形成し、事業を立て直すことが求められていましたが、3月18日に行われた再建計画会議で、以下の内容が正式に承認されました。
- 債権者への支払い: 債権額の30%を2025年5月23日までに支払い。
- 追加資本: 約8億ユーロの新規資本が必要。
- 生産再開: 2025年3月中旬から徐々に生産を再開。
生産再開に向けて、新たな投資家を迎え入れた株主のグループから5,000万ユーロの資金が提供される予定です。初期段階ではシングルシフト操業でコストを抑えつつ、3か月以内に4つの生産ラインをフル稼働させる計画となっています。
KTMの未来に期待

PIERER Mobility AGのCEOであるゴットフリート・ノイマイスター氏は、再建計画の承認について次のようにコメントしています。
「この結果について、感謝と喜びでいっぱいです。KTMは軌道に戻りました。私たちは、世界中のKTMファン、レーシングライダー、そしてKTMが拠点とするオーストリアのために、この仕事を続けていきます」
この再建手続きの間にも、MotoGPやAMAスーパークロスなど名だたるレースシリーズは開幕しており、KTMのファクトリーライダー達が活躍を続けています。再建計画が承認されたことで、不透明だった今後の活動内容も明確になっていくことでしょう。