一頃は、ラリーマシンって言ったら大排気量のモンスターバイク。でも、ダカールが450ccに排気量を制限し、さらにはごく一般的に小排気量でも十分にラリーを楽しめるようになった昨今「ラリーマシン」に求められる特別なものは、そう多くない。そもそも、ストリートリーガルのCRF250RALLYでめいっぱいラリーをエンジョイすることが目的である今回の企画だから、紹介済みの野口シートの他には…
そう、大事なのはタワーだ
排気量やタンクの大きさがあまり重要視されない昨今、しかしどうしても必要になるのがラリータワーだ。すでにCRF250RALLYはタイに向けて出航しているが、その前に取材済みのラリータワーについて見てみよう。
必要なのは大きくわけて3つ。
1.トリップメーター
ラリー専用のものが販売されているので、海外ラリーやSSERなどの本格ラリーに参戦する場合は、必須。コマ図練習会などでも、せっかくだからトリップメーターがあったら楽しい。
2.マップケース
コマ図をロールして表示するもの。これも専用品が必要だ。
3.リモートスイッチ
コマ図やトリップメーターを制御するための手元のスイッチ。
これら特殊装備を、経験に基づいて使いやすいようにセットアップすることができるのは、ベテランのみ。今回の増田まみの挑戦を、マシン作りの側面でサポートする「うなぎ工房」の石原氏は、日本中のラリーストから信頼を集めている。
スタンディングで走る際に、見ることができる角度かどうか。身長はどうか。そんなことを考慮に売れながら組み上げる。
CRF250RALLYの場合は、元々ナビをいれることができるように、カウル内にバーが付いているのでこれにセットアップしていけばいい。こちらは、スクリーンをはぐったところ。見ての通り、恐ろしく丁寧なことで有名な石原氏の技術が光る。
リモートは、Lyndon Poskit Racingの“Rally"リモートスイッチ。2台のICO+マップホルダーをコントロールできる。サポート無しで走りきるクラスでダカールを走りきり、世界中を旅してまわりながらレースをし、日本にも友人が多い…とにかく語るに尽きないリンドン・ポスキットが開発した逸品。
マップケースはMD 電動ロードブックホルダー。KTMの450RALLYにも純正採用される、信頼性の高いものだ。
トリップメーターは、ICO Rallye MAX-G GPSラリーコンピュータ、ICO Rallye MAXラリーコンピュータが2機駆け。片方はGPSで、片方は機械式。トリップを合わせるのに有利であること、どちらかにトラブルが起きたときも対処しやすいのが、2種搭載する理由。このノウハウは、ラリー競技では常識。
川渡りするなら、このダクトをふさいでエンジンを止めてわたること。そんな手ほどきまで受けながら、マシンを受け取る増田。
マップケースのすぐ横に書いてあるのは「ABSスイッチ忘れない」。忘れっぽい増田のために、石原氏が書いたそう。CRF250RALLYはABSスイッチがあって、キーをオフにするたびにABSが自動で入ってしまう。(※フロントは、ABSを切ることができない。リアのABSを切ることができるスイッチだ)