全日本モトクロス選手権IAライダーの⼩島庸平氏とダートフリークが、“海外へ羽ばたくライダーを育てたい”という思いを持って手を組み始動した44キッズクロス。今年で4年目を迎えた同大会の第2戦が、3月23日、奈良県にある名阪スポーツランドにて開催されました。
雪がパラついた開幕戦から一転、第2戦当日の天気は快晴。最高気温が20度と暖かく、日差しの強さを感じる陽気となりました。会場となった名阪スポーツランドは全日本モトクロス選手権も開催されるコース。サンド質な路面が特徴で、周回を重ねるごとに轍が深くなっていくため、ライダーたちには荒れた路面への対応力が求められました。
今大会ではMOTO-E/ファースト50/スーパー50/ファースト65・110・リミテッド50/スーパー65/85・150/エンジョイクラスの全7つが行われました。今回は参加台数の影響により、MOTO-Eとファースト50クラス、スーパー65と85・150クラスが混走でレースが行われました。
なお、昨年に引き続き上位クラスであるスーパー50/スーパー65/85・150クラスは年間チャンピオンシップの対象となり、シリーズチャンピオンを獲得をしたライダーは翌シーズン1年を通してダートフリークのサポートサービスを受けることができる特典が用意されています。
2025年第2戦の写真はこちら!
小田がライバルを制し、TRROT初勝利をあげる。MOTO-Eクラス
MOTO-Eクラスには4台が参戦。今大会はファースト50クラスと混走でレースが行われました。開幕戦を振り返ると#12篠田昇冴が2ヒートともに優勝を獲得し、新たなチャンピオン候補として存在感を示しています。今大会はサンドコースへの攻略に苦戦するライダーが多く、転倒者が続出、そんな中誰が勝利を獲得するのか、レースの行方に注目が集まりました。
ヒート1、1周目の2コーナーでは転倒が相次ぎ、レースは序盤から混戦となります。そんな中ホールショットを獲得した篠田がレースをリード。前戦から引き続き勢いのある走りを見せます。2番手には#52小田楷葦がつきトップを追いかける展開となりますが、途中のミスによりタイムロスするなど、トップとの差がなかなか縮まらない状況が続きます。篠田がトップを守り切るかと思われましたが、レース終盤のミスで小田との差が一気に詰まり、隙をついた小田がトップへ浮上。そのまま逃げ切るかたちでチェッカーを受けました。2位篠田、3位#100濱上叶眞という順位でゴール。なお、小田にとっては今回が初優勝。ずっと目指してきた目標を果たし、ゴール後にガッツポーズする姿も見られました。
ヒート2も篠田がスタートからトップを走行。ヒート1の悔しさを晴らすかのように、序盤から後方との差をぐんぐん広げます。しかし、2番手につけた小田も負けじと追いかけ、篠田のラップタイムを上回るスピードで距離を詰めます。徐々に2人が近づく中、篠田がマシントラブルにより立ち止まってしまいます。これにより順位が入れ替わり、小田がレースをリードする展開となりました。篠田はすぐにリスタートしたものの、トップに追いつくことはできずタイムアップ。小田が見事両ヒートで勝利を収め、総合優勝を飾りました。2位篠田、3位濱上という順位でフィニッシュ。ポイントランキングを見ると、篠田が90ポイントでトップ、小田が86ポイントで2位につけており、この2人が今シーズンのチャンピオン争いを繰り広げていくことになりそうです。
また、難しい路面での走行、かつ50ccマシンとの混走といういつもとは異なる状況の中、安定感のある走りを見せたのが濱上です。ヒート1では転倒もあり、序盤9番手あたりからの追い上げを強いられましたが、着実にポジションを上げて4位入賞。さらにヒート2では序盤から3番手につけると、ポジションを譲ることなくゴール。ラップタイムを見るとレース後半にかけてペースを上げており、その粘り強さは今後のレースでも発揮されるでしょう。

小島庸平のワンポイント・コメント!
「小田選手は念願の優勝でしたね。スピードを乗せるのが上手で、走りのバランスも良くて、転倒してもすぐにリカバリーできる実力の高さがあると思います。篠田選手とのバトルも見られて、ライバルの存在が成長に繋がっているなと感じました。また、濱上選手も好スタートを決めるなど存在感がありました。今後トップ3のバトル展開に期待しています」
MOTO-Eクラス総合順位 | |
1位 | #52小田 楷葦(オダ カイ) |
2位 | #12篠田 昇冴 (シノダ アサヒ) |
3位 | #100濱上 叶眞(ハマガミ トウマ) |
4位 | #3みのり |