いよいよ本日が四国編の最終日。四国最西端に位置する愛媛県の佐田岬を目指す。
朝8時に小高い丘の上にあるホテルを出発。大月町には透明度が高く「船が宙に浮いて見える海」として話題になった柏島があるが、残念ながらスケジュールに余裕がなく寄ることができず、国道321号線をひたすら北に進む。
出発して間もなく小筑紫(こづくし)町の田ノ浦漁港でブリの出荷作業を行っていたので見学する。体長50㎝、体重5㎏ほどの立派な魚体のブリが続々と仕分けされていく。1本1万円ほどで取引されるのだとか。
漁港のオジさんに「立ち姿は若いけど顔は歳いってるね」と言われたので「オジさんはいくつ?」と言い返したら昭和24年生まれだという。昔はカワサキ W1に乗っていたこともあるとか。高知人は人懐っこく会話が楽しい。
宿毛(すくも)を超えて峠道に入ると「ご自由にどうぞ お1人様1個」の看板をかかげるみかんの販売所があったので立ち寄る。みかん10個で200円は東京のスーパーと比べると破格だ。
宇和島市に入ると左手に見える海の美しさに圧倒される。
僕が最初に四国をバイクで一周したのは43年前の29歳のときである。その頃の四国の印象といったら、海の美しさと、当時の日本ならどこにでもあった田舎風景だった。あれから半世紀近くが過ぎ、改めて旅をしてみた四国の印象はというと、全国でも間違いなくトップクラスの素晴らしさである。地理的な恩恵による海の透明度と青さは恐らくナンバー1だろう。そこに当時からあまり変わらぬ街並みや自然の佇まいが加わり、僕に「日本一!」と言わしめてしまうのかも知れない。
さて、四国最西端「佐田岬」は平坦な半島かと思いきや、とんでもなく険しく突き出た半島だった。本土最南端の「佐多岬」と四国最西端の「佐田岬」。どちらの「サタ」も険しい半島の突端に君臨する偉大なる岬なのである。大月を出発してここまで約180㎞。今日は昨日とは打って変わって気温が7℃〜13℃と寒い。
八幡浜のフェリー乗り場に戻ってきて食べた「生しらす丼(1100円)」が何と美味かったことか。味よし、景色よし、人もよし、の四国の旅だった。
これで四国の東西南北を極めたので、次は本州最後の極点である最西端の「毘沙ノ鼻(びしゃのはな)」を目指す。しまなみ海道を経由して再び本州へ戻るため100㎞以上も先にある今治へ向かい、何とか18時に到着した。