電動バイク化が比較的進んでいると言えるトライアル界に、ホンダも電動トライアルバイクを投入することが電撃発表。ライダーは世界チャンピオン経験のある藤波貴久。

デビュー戦は全日本トライアル選手権シリーズ 第6戦 和歌山・湯浅大会で、もちろんクラスは最高峰のIAS。世界初登場するホンダの電動トライアルバイクは、RTL ELECTRICと名付けられており、Montesa COTA 4RTとCR ELECTRICの開発によって得た知見を生かしたものだとのことです。

画像1: ホンダも電動トライアルバイクで全日本選手権へ、藤波貴久をライダーに起用
画像2: ホンダも電動トライアルバイクで全日本選手権へ、藤波貴久をライダーに起用

RTL ELECTRIC開発ライダー 藤波貴久

「Hondaのカーボンニュートラルへの取り組みに対し、トライアルで関わることができ、大変うれしく思っています。電動のトライアルバイクには無限の可能性があり、ライダーとしてのこれまでの経験を活かして、開発チームとともにより良いマシンに仕上げていきたいと思っています。今回は現役復帰ではないので、開発ライダーとしての限定ですが、久しぶりに日本のファンの皆様の前で走れることが、今からとても楽しみです」

株式会社ホンダ・レーシング(HRC)代表取締役社長 渡辺康治

「Hondaは今年、電動オフロードバイクレースの新しいカテゴリーであるFIM E-Xplorer World Cupの参戦を開始しましたが、この度全日本トライアル選手権にも、RTL ELECTRICで参戦することを決めました。電動二輪車で参戦するカテゴリーを増やしていくことで、技術を実戦の場で鍛え、ノウハウ・知見の蓄積、人材の育成をさらに加速させていきます。最後になりましたが、このプロジェクトに全面的に協力してくれた藤波貴久さんには、心から感謝いたします」

参戦体制

参戦チーム名:
Team HRC

参戦車両名:
RTL ELECTRIC

参戦ライダー:
藤波貴久(ふじなみ・たかひさ)

アシスタント:
Carles Barneda Romans※4(カルロス・バルネダ・ロマンス)

Off1編集長ジャンキー稲垣によるRTL ELECTRICの第一印象

2040年代には全ての二輪製品でのカーボンニュートラルを実現することを目指すホンダの次なる電動化への一手がトライアルだとは、なかなか想像が追いつかなかったところ。マシンを見る限り、クラッチレスのCR ELECTRICとは大きく異なり、フライホイール&クラッチとみられるものがICE(内燃機車)のクランクにあたる部分にある。そのサイズもクラッチのパワーをできる限り使うためと見られ、かなり大きい。モーターの位置はCR ELECTRICよりもだいぶ上に位置しているが、回転マスの位置の関係なのだろうか。左手にもレバーがあり、クラッチが搭載されているとみて間違いは無さそうだ。また、左足にはシフトレバーのようなものも見てとれるが、この辺も面白いところ。CR ELECTRICが非常にシンプルな構成だったのに対して、RTL ELECTRICは少し複雑なシステムのようだ。ICEではモトクロッサーよりもさらにシンプルに研ぎ澄まされた構成をもつトライアル車が、電動になると複雑になる。しかし、全日本選手権への投入はモトクロスよりトライアルのほうが早いところも興味深い。ぜひ開発のお話しをお聞きしてみたい!

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