6月8日(土)、アメリカのコロラド州にあるサンダーバレー・モトクロスパークにて、2024 AMAプロモトクロス選手権第3戦が開催されました。
Team Honda HRCから250クラスに参戦する下田丈は、開幕戦と第2戦をそれぞれ6位、5位で終え、ランキングでは5番手につけています。表彰台までもう一歩といったところにいる下田は、予選を総合4位で通過。ここからのレースでどこまで前に出られるか注目したいところです。
イン寄りのグリッドから30分+2周のmoto1をスタートした下田は、ファーストコーナーで発生した転倒に巻き込まれながらも、1周目を11番手でクリア。ホールショットを獲得したのはポイントリーダーのヘイデン・ディーガンで、そこにトム・ビアル、チャンス・ハイマスと続きます。先頭2台は早々に抜け出し、2秒ほどの差をつけてビアルが前のディーガンの様子を伺う状態でレースが進みます。
下田は開始5分で9番手、10分経過時で7番手と順調にポジションを上げていきます。前のピアース・ブラウンと約7秒ついた差を少しづつ詰めていった下田は、後半周りのペースが落ちる中で1人序盤からのペースを崩さずに走行できたことで、終盤にその差を一気に縮めてラスト1分でブラウンをパス。さらにゴール直前でジャレック・スウォルもパスし、5位でゴールしました。
トップ2台はレース終盤まで2秒差を保ちますが、ラスト3分を切ったところでディーガンが転倒し、立て直しの隙をついてビアルがトップに。ディーガンはすぐにコースに復帰してビアルを追いかけ、計時終了したタイミングで2台のバトルが開始されます。ラスト2周、コーナーでインをついたディーガンが前に出て、道を塞がれたビアルはややコースアウト。ファイナルラップでビアルは再度ディーガンに仕掛けますが、コーナーで転倒し、勝負はディーガンに軍配が上がりました。
moto2もインのグリッドからスタートした下田は、ハイマス、ディーガン、マーカス・フェルプスに次いで4番手でファーストコーナーに飛び込みます。その後数台に前に入られ7番手にまでポジションを落としますが、7分経過時には5番手まで順位を回復し、前を走るビアルとスウォルの表彰台争いを追いかけます。
前に目を向けると、ハイマスが抜け出し、ディーガンとキッチンがその後を追う展開。キッチンは7分経過したあたりで転倒により後退し、ハイマスとディーガンはそれぞれ単独走行で集団から抜け出します。
レース中盤、下田はまず転倒で後退したビアルをパスし、すぐに3番手のスウォルにも追いつきます。後ろから再度追いついてきたビアルのプレッシャーもある中、連続コーナーでアウトをうまく利用してスウォルの前に。そのまま後続を引き離して単独走行に入った下田は、3番手に立った時点で10秒ほどあった2番手のディーガンとの差を、最後の10数分で約2秒にまで縮めます。ただ、ディーガンを捉えるには時間が足りず、そのまま3位でゴール。今シーズン初のヒート表彰台を獲得し、総合順位は5-3で4位と表彰台まであと一歩のところまで来ました。
優勝はホールショットからトップを独走したハイマス、2位にはディーガンが入り、総合優勝は1-2のディーガンが手にしました。
450クラスのmoto1ではジャスティン・クーパーがホールショットを獲得。そのままトップを独走しますが、終盤、レースを通して兄弟並んで追い上げを展開していたハンター・ローレンスとジェット・ローレンスがトップまで迫り、クーパーをパス。ルーキーのハンターがヒート初優勝を果たし、ジェットが2位、クーパーは3位に終わりました。
moto2でもクーパーがホールショットを獲得し、そこにチェイス・セクストン、ハンター、ジェットが加わってトップ集団を形成しますが、クーパーを抜こうとしたセクストンが転倒でトップ争いから離脱。ラスト5分のところで、2番手を走るハンターと3番手のジェットが兄弟対決を展開し、ジェットがハンターをパスします。ラスト2分のところで、ローレンス兄弟は再び連なってクーパーに襲い掛かり、次々にクーパーをパス。今度はジェットが優勝し、ハンターが2位、クーパーはまたしても3位フィニッシュとなりました。
総合順位では2-1のジェット・ローレンスが優勝、1-2のハンター・ローレンスが2位に入り、3位は3-3のクーパーでした。今回の結果により、ルーキーのハンター・ローレンスがポイントランキングでセクストンを抜いてトップに立ち、次戦の第4戦ハイポイントではレッドプレートを装着してレースに挑むこととなります。