Photo: Feld Motor Sports, Inc.
4月20日(土)、アメリカのマサチューセッツ州ナッシュビルにあるニッサン・スタジアムでAMAスーパークロス選手権第14戦が開催されました。
東西混走の大一番で、好成績を狙う
今回は今シーズン初の250SXクラスショーダウン。普段は250SX WESTと250SX EASTの2つにクラス分けされ、それぞれ西海岸、東海岸でのレースを中心にシーズンが進みますが、ショーダウンではWESTの選手とEASTの選手が混走でレースを戦います。
250SX WESTに参戦するTeam Honda HRCの下田丈は、前戦で長く課題となっていたスタートも克服したようで、シーズン後半好調をキープしており3戦連続表彰台獲得中。250SX WEST6番手で予選を終え、ショーダウン出場をかけたヒートレースに挑みます。
ショーダウンのあるラウンドでは、250SX WESTと250SX EASTそれぞれで6分間のヒートレースを行い、その上位9台ずつと、LCQレースの上位4台の計22台がショーダウンに進出できます。250SX WESTのヒートレースを、下田はイン寄りのグリッドからスタートします。ゲートダウンから加速を決めた下田は、ファーストコーナーのタイトな旋回に成功し、ライダー・ディフランチェスコ、フィリップ・ニコレッティ、ジョードン・スミスに次ぐ4番手でレースをスタートします。ところが、レース開始から3分ほど経過した時、レース序盤で転倒したライダーの救出に時間がかかっていたことで赤旗が提示され、レースが中断されます。
レースは約15分後に再開。赤旗提示時の順位で縦一列に連なってスタートし、3分半でレースが行われました。再開後は、赤旗前に下田の後ろ5番手を走行していたRJハンプシャーが速さを見せ、続々と前のライダーをパスしていきトップに立ちます。下田はハンプシャーには先行を許したものの、後ろから迫るポイントリーダーのリーヴァイ・キッチンを抑え、ハンプシャー、スミス、ディフランチェスコに次ぐ4位でヒートレースを終え、ショーダウンへの切符をゲットしました。
250SX EASTのヒートレースでは、トム・ビアルレが序盤から先行し、コーティ・ショック、ピアース・ブラウンが続きます。トップはスタートから大きく順位は変わらず、ビアルレ、ブラウン、ショックの順でゴール。ヘイデン・ディーガンは1周目に転倒し追い上げて8位、ポイントリーダーのキャメロン・マカドゥーはスタートで出遅れ9位と、ギリギリのところでショーダウン直接進出を決めました。
そして15分+1周のショーダウン。下田は中央イン寄りから今度もスタートを決め、ハンプシャー、スミスに次いで3番手でファーストコーナーを抜けていきます。1周目ですぐにスミスをパスし2番手に立った下田は、先頭のハンプシャーを追いかけます。一方、WESTのポイントリーダーであるキッチンはスタートしてすぐのリズムセクションで着地に失敗し転倒、身体に後続のタイヤが当たり怪我を負ったようですが、なんとかレースに復帰します。下田は好ペースで走行を続けますが、徐々にハンプシャーとの差が開き、2番手を単独で走行。
レースの順位は序盤のままのオーダーで、優勝はハンプシャー、2位に下田、3位にビアルレが入りました。WESTランキング首位のキッチンは14位まで追い上げましたが、チームメイトのEASTポイントリーダーのマカドゥーはトラブルがあったようでリタイヤ。これにより、WESTはハンプシャーが、EASTはビアルレがランキングトップに躍り出ました。下田はトップから28ポイント差、3番手と10ポイント差のランキングの4番手に。残り2戦でどこまで追い上げられるか、注目です。
下田丈(Team Honda HRC)
「チームも僕も一生懸命頑張ってきたので自信はあったけれど、実は今日一日ストレスがすごくかかっていました。なので表彰台に立ててとても嬉しいし、さらに自信が高まりました。でもやはり勝ちたいので、このまま頑張り続けるだけです」
前戦で長年の課題でシーズン前半も苦しんでいたスタートの問題が解決し、レース序盤から上位を走れるようになっていた下田。前戦ではペース面での課題がやや残りましたが、今回のアベレージタイムは優勝したハンプシャーから0.13秒遅れるのみで、レース後半まで安定したペースで走行していたように見えます。ひとつひとつ課題が解決していき照準が合ってきているので、あと2戦でさらに上にあがれるか、期待したいところです。
450クラスのメインイベントは波乱の展開に
まずヒート1では、ケン・ロクスンがトップを走行中にエンストし後退。代わってトップに立ったのは今季での引退を表明しているアダム・シアンサルーロでしたが、計時終了後にハンター・ローレンスがシアンサルーロをパスしてトップでチェッカーを受けました。
ヒート2はジェット・ローレンスがホールショットからそのままトップを独走し優勝、そこにクーパー・ウェブ、イーライ・トマックが続きました。
20分+1周のメインイベントではトマック、ジェット、ロクスン、ウェブのオーダーでスタートを抜けます。序盤6番手を走行していたチェイス・セクストンが転倒しリタイア。また、レース中盤にはロクスンのエンジンが突如ブローし、ロクスンはフープスを抜けた先でマシンから飛び降りてこちらもリタイアとなりました。セクストンは手を、ロクスンは脚を負傷している模様で、残りのシーズンへの影響が心配されます。
レース中盤にジェットがトマックに追いつきます。両者同時に転倒したライダーを避けるときにジェットがイン、トマックがアウトを選んだことでジェットがトップに立ち、そのまま独走態勢に入って優勝。2位にトマック、3位にウェブが入りました。
前戦でウェブが優勝し、ジェットとウェブが同ポイントでランキングトップに並びましたが、今回ジェットが勝ったことでランキング首位の座は再びジェットのものに。450は残り3戦、チャンピオン争いも佳境に入ります。