2月10日(土)、アメリカのアリゾナ州グレンデールにあるステートファームスタジアムにて、AMAスーパークロス第6戦が開催されました。
前週に250SX EASTの開幕があり、2週間のインターバルを経て開催された250SX WEST。Team Honda HRCから参戦する下田丈は、予選全体で5番手のタイムを記録。トップとは約1秒差、2番手以降のリーバイ・キッチンやRJ・ハンプシャーらとの差はわずか0.4秒ほどと、トップ争いに期待が高まりました。
ヒート1、ヒート2、メインイベントとある中、下田はヒート2とメインイベントに出場。ヒート2、下田はスタートで出遅れ8番手からの追い上げを強いられましたが、序盤でネイト・スラッシャーが単独で転倒。復帰することができず赤旗が振られ、レースは再スタートとなりました。
再スタート後のレースでは、下田は好スタートを決めると2番手で1周目を通過。トップのジョードン・スミスと1秒ほど間隔が空いた状態でレースが進行していきます。下田はスミスを追いかけるもなかなか距離を詰めることができず、スミス、下田、ハンプシャーの順でフィニッシュとなりました。なお、今回の好スタートについて「Supercross Video Pass」のインタビュアー、ウィル・クリスチャンはHRCのチームマネージャーのコメントを紹介。「クラッチを調整するためにクラッチプレートを変えたとのこと。赤旗後のスタートの良さからわかるように、決して前に出れないということはないと話していた」(編集部訳)とのことで、下田が行ってきたスタート対策の効果がヒート2に現れていることがわかります。
ヒート1では、現在ポイントリーダーのキッチンがホールショットを獲得。カーソン・マムフォードが仕掛けますが、キッチンはそのままの勢いでトップを快走。1位キッチン、2位マンフォード、3位ミッチェル・オルデンバーグという順位でゴールとなりました。
250SXメインイベントでは、下田は9番手から追い上げの展開となりました。一方、スタートの反応の良さを見せホールショットを獲得したのがキッチン。後ろにスミス、ハンプシャーと続き3人によるトップ争いが展開されました。下田は着実に順位を上げていき、中盤で4番手に浮上。一方トップ争いも白熱。スミスの転倒によりハンプシャーがトップに浮上すると、スミスとキッチンが2番手をかけて攻防戦を繰り広げます。下田にとってトップ争いが拮抗していることは、差を縮めるチャンス。しかし、8周目で下田も4秒ほどラップタイムを落とし、トップとの差は10秒ほどに拡大します。レース後半、スミスが再度転倒したことで、下田は3番手に浮上。その後も追い上げるも、トップとの差は8秒と届かず。1位ハンプシャー、2位キッチン、3位下田という結果になりました。下田は今季初表彰台を獲得。2023年第15戦のナッシュビル以来となる、スーパークロスでの表彰台です。
なお、今大会で250SX WESTは折り返し地点。ポイントランキングは、1位キッチン(106pt)、2位スミス(102pt)、3位ハンプシャー(101pt)、4位ガレット・マーチバンクス(87pt)、そして下田は74ポイントで5位に入っています。トップとの差は32ポイント。後半戦でどこまで追い上げることができるか、注目です。
450SXは、ヒート1でケン・ロクスンがホールショットからそのまま1位を獲得。ヒート2はアーロン・プレシンガーが制し、メインイベントに臨みました。
PHOTO/Feld Motor Sports, Inc.
メインイベントでも好調を発揮したのがロクスン。ホールショットを獲得するとそのままトップを走ります。その後方には、プレシンガーとジェイソン・アンダーソンが続き、ロクスンを追いかける展開。しかし序盤でプレシンガーが転倒しポジションダウン。アンダーソン、イーライ・トマックが追いかけるも、依然として順位は変わらず、ロクスンがトップを守った状態でレースが進行していきます。
レース中盤では、序盤でクーパー・ウェブとのバトルでコースアウトし追い上げを強いられたジェット・ローレンスがトマックに迫ります。4番手に上がった時点で、3番手のトマックとは7秒ほど差がありましたが、徐々に距離を縮めていき、レース時間残り4分30秒ほどというところでトマックをパス。表彰台圏内へポジションを上げました。結果は、1位ロクスン、2位アンダーソン、3位ジェット・ローレンスでフィニッシュ。ポイントランキングは、ジェット・ローレンス(117pt)、チェイス・セクストン(111pt)、プレシンガー(108pt)となり、各ライダー油断も隙も見せられない、拮抗した状態になっています。
次戦は250SX EASTの4戦を挟み、1ヶ月以上のインターバルを経た3月24日。シアトル州にあるルーメンフィールドで開催されます。