TRIUMPHの新型スクランブラー1200 XEの試乗会には、YouTuberのBANZAIりょ〜ちゃんねるさんが来場していた。かねてから様々な機会で懇意にさせていただいているOff1はここぞとばかりにBANZAIさんに新型の試乗を依頼し、快く引き受けていただくことができた。
トライアンフのSCRAMBLER1200 XE(2019モデル)で全国各地のオフロードコースを巡り、時にはハードエンデューロレースにも参戦。あれほど土の匂いがするスクランブラー1200を僕は見たことがありません。世界広しと言えども、BANZAIさんほどスクランブラー1200でオフロードを楽しみ尽くしている人は、滅多にいないのではないだろうか。ユニフォームに大きく書かれている通り「素人」を自認するBANZAIさんですが、ことTRIUMPHスクランブラーを楽しみ尽くすという意味では完全に「玄人」!
BANZAIさんが所有する2019年モデルのSCRAMBLER1200 XE(写真右)と、新型のSCRAMBLER1200 XE(写真左)。今回のモデルチェンジでは特にエンジンとサスペンションにアップグレードが施されている。エンジンはクランクとシリンダーヘッドが新設計になり、50mmのスロットルボディを新採用。最高出力を発揮する回転数が7400rpmから7000rpmへ、最大トルクを発揮する回転数が3950rpmから4250rpmへと変更されている。
また、サスペンションは前SHOWA、後OHLINSから前後共にMARZOCCHI(マルゾッキ)へ。旧モデルに比べ減衰力の調整範囲が広くなり、微調整も可能になったという。
搭載されているライディングモード「オフロードプロ」を使用することでトラクション・コントロールとABSをカットすることができ、リアタイヤのスライドなども容易に。
BANZAIさん
「前後サスペンションのメーカーが変わっているので、旧モデルとは全く違う乗り心地なのかな、と思っていたのですが、実際に乗ってみると、そこまで大きな差は感じませんでした。敢えて言うのであれば以前より少しフロントサスペンションの動き始めがしっかりしたイメージですかね。スピードを出して攻めた時でもちゃんとしなやかに動いてくれているのがわかったので安心できました。また、リアサスは明らかに新型の方が沈んでくれて、トラクションが乗せやすくなった印象がありますね。おそらくスプリングレートが変わってるのだと思います」
「一番驚いたのはスロットルレスポンスの違いです。旧モデルはちょっと開けただけでドカンとパワーが出るし、エンジンブレーキも強かったのですが、新型はすごく滑らかになっていました。おかげで疲れにくいですし、耐久レースの後半など疲れが出てきてスロットル操作がラフになってしまってもミスしにくいのかな、と思います。あとは、回転数全域でトルクの谷がなくなったような気がします。ある程度のスピードで走っている時に“もう少し開けようかな”って開け足した時のパワー感がすごく力強くなっていますね。旧モデルはワンテンポ遅れてパワーが出るのですが、新モデルは開けた瞬間からすごくリニアにパワーがついてくる感じがあって、それがすごくコントロールしやすいんです。旧タイプは半クラを当てて制御していたんですけど、新型はクラッチ繋いだままでも開けられるので、すごく乗りやすくなっていました。スロットルボディが新型になった効果や、スロットルバイワイヤの進化のおかげかもしれないですね」
「スクランブラー1200 Xにも少しだけ乗らせてもらいました。驚くほど足つきが良くて、これなら誰でも乗れそうですね。これまで1200は足の長いXEとXCしかラインナップになかったので、足がつかない人は1200を諦めてスクランブラー900に乗るしかなかったのですが、これなら大丈夫だと思います」
実際、BANZAIりょ〜ちゃんねるでは身長156cmの女性ライダーがスクランブラー1200 Xで走る姿も公開されている。今後も引き続きインプレッション動画がアップされると思われるので、ぜひチェックしてみてほしい。