日本人ダカールライダーの草分け的存在、池町佳生がダカールラリーへカムバックする。レースの先鋭化に伴い、要求される性能が高くなる中で池町はゴールドウインのウエアに目を付けた

日本のベテランが、ダカールラリーへカムバック

今もなお、世界で最も過酷なレースとして知られるダカールラリー。池町佳生はこれまでこのダカールラリーにチャレンジしてきた日本人の中でも、草分けといっていい存在だ。1971年に生まれ、96年にはじめてプレスカーのナビゲーターとしてパリ=ダカールラリーへ参加。97年にはついに自身初の二輪での参加を果たし、総合16位という当時日本人最高位を獲得。2度目のチャレンジでは総合10位と数え切れないほどの海外ラリーでの好成績を残しながら、2003年には四輪へ転向しプロドライバーとして活躍、2010年のダカールラリーリタイアを期にプロラリーストとしてのキャリアに終止符を打った。

画像: 日本のベテランが、ダカールラリーへカムバック

「アルゼンチンのスバルのチームで最後のダカールに出たんですよ。3日目にドライブシャフトがバキバキになっちゃって、どうにもならなかった。そりゃ不完全燃焼ですよ」と池町は言う。すっぱりその道を捨て、池町はサラリーマンへ転身し、自動車運行管理の仕事についた。アスリートとして築いてきた自信や、スポンサーやシート獲得のために身につけた交渉術、持ち前の明るさによるものだろうか、ぐんぐんと営業成績を上げ、事業部長にまで上り詰めることになる。そのままビジネスの世界でキャリアを積み重ねることもできただろう。ただ、池町の「不完全燃焼」は10年くすぶり続けた。

「身体は50歳になった瞬間にがくっと弱り出すわけよ。もう出るなら今しかない、それも出るならバイクだな、って思ったんです。ちょうどコロナ禍が始まった頃で、世間に対して前向きなメッセージにもなるだろうとも思ったし、僕がダカールに再び戻ることの意味を見いだすことができた。ずっと連れ添ってくれたメカニックの幸繁が亡くなってしまったのも、契機だったかもしれません。

そうと決まれば、背水の陣ですよ。行かざるを得ない状況をまずは作ってしまおうと。仕事は自由の効くフリーランスにチェンジして、この数年活動してきました。ひどい円安で、急に資金が足りなくなったりしてますが、まぁ、なんとかなるでしょう(笑)」

先鋭化するダカールラリーに求められるウエアの性能

ダカールラリーに投入されるファクトリーマシンは、その長い歴史の中で各メーカー同士がしのぎを削ってゆくことでとめどなく進化を続けていった。その結果、二輪クラスの最高速は危険な領域に突入してしまう。ハイスピードで走行中に大きめの石ころを見逃せば即死、という状況を鑑みた運営側は、二輪の排気量制限を課した。現在許されているエンジンの排気量はわずか450ccだが、ホンダがダカールラリー専用にエンジン、フレームを開発し、強力なパワーを得るためにDOHCヘッドを採用したことにも象徴されるように、現代のダカールを走る二輪は皮肉にもこれまで以上に凄まじい出力を得ることとなった。そこで運営側はついに2023年、最高速度そのものを上限160km/hに制限するレギュレーション変更に踏み切ったのだった。

そんな、先鋭化したダカールラリーに求められるウエアとはいったいどんなものなのだろうか。様々に変化する天候の中、約8000kmに渡って超高速でのダート走行をするだけではなく、現在のダカールではモトクロスのような大ジャンプをこなすようなスポーツライディングの技術も求められる。そのため、現代のプロラリーのシーンでは、上下揃いのラリースーツを着用することはない。ほとんど全員がモトクロス用のパンツ&ジャージに、袖が脱着可能でネックブレイスと併用できるジャケットを着込み、温度調節をするのが一般的だ。「2週間も走りっぱなしなので、快適性はとても大事です。体力をできるだけ温存したいからね」と池町氏は言う。

ゴールドウインのコンペティションジャージ/パンツは、モトクロスとトライアルのプロライダーからフィードバックを得て開発されたスポーツウエアだ。動きやすさと快適性が同居するこのウエアがラリーシーンでも有効であろうことは、池町の目から見て明らかだった。ウエアを試しに着用してみた池町は、開口一番「この動きやすさは凄いね! ストレスがまったく無い。ぜひロングライドで試してみたいよ」と言う。

画像1: 先鋭化するダカールラリーに求められるウエアの性能

池町がまず強調するのは、どんなポジションもとりやすいことだ。砂漠では砂に埋もれないように極端なリア荷重を得るため、腰を大きく引くことが多いのだが、伸縮性があって身体を動きを邪魔しない点が好印象とのことだった。「普通は尻や腿の部分につっぱり感を感じることが多いのですが、このウエアは一切そういったことがない。腰のホールド感もあって、ウエアがずり下がってお尻が出てしまうようなストレスもないですね。伸縮性だけでなく、裏地の滑りもいいからだと思います」と池町。コンペティションパンツの縫い目は、すべてシームレス加工されていてニーブレイスなどの装具が引っかかるところがない。異種素材を組み合わせ、滑りや伸縮性を調整していることも大きな効果の理由だろう。

画像2: 先鋭化するダカールラリーに求められるウエアの性能

ジャージの後ろ身頃(うしろみごろ)全体ががメッシュになっていることにも感心していた。

「メッシュジャージは暑い時に効果的ですが、僕らのような森の中を走るライダーにはメッシュが枝などに引っかかってしまうことがよくあるんです。

画像3: 先鋭化するダカールラリーに求められるウエアの性能

高速走行中だと引っかけた枝が腕に刺さってしまうこともあります。まだ跡が数カ所残ってるでしょ? でも涼しさは欲しい。このウエアを設計した人が、そこまで意識したかわかりませんが、前身頃に枝などが滑ってくれる素材を、後ろ身頃をメッシュにしたのは理想的ですし、なかなかない組み合わせなんです」

熱帯のレースで池町が感じたこと

実はこのウエア、池町は試しに着てみるだけではなくマレーシアで行われたラリーレイド『リンバレイド』にも持ち込んでいる。世界最古のジャングルであるタマンネガラ国立公園(なんとその歴史1億3000万年前!)を100km以上にわたって走破するレースはジャングルや湿地帯も多く含まれ、さらに赤道直下の暑さと猛烈な湿度がライダーを襲う過酷なものであった。

画像1: 熱帯のレースで池町が感じたこと
画像2: 熱帯のレースで池町が感じたこと

「通常、オフロードウエアってナイロンを編んだだけの生地だから、水に濡れると水分を含んでしまって重みを感じたり、引っかかりを感じるようになったりするんですよね。それがじわじわと体力を奪っていくし、気温によってはペースの速い区間で寒さにつながったりもするものです。今回、リンバレイドはひどい湿地帯をいくつも通って、ウエアが泥にまみれたし、スタックしているライダーを沼で助けたりもしているんですが、すごく好感触でした。重くならないし、引っかかりを感じない。乾いたウエアのように、快適なんですよね。撥水性があるとは聞いていなかったから、びっくりしましたね。

ラリーでは雨が降ったら、ルート区間だけ持っているレインコートを着ることがあります。でも、パンツは普通は着ないですね。濡れたら濡れたまま走ることになる。当然気持ち悪いんですが、そんなことは言ってられなかった。どのくらいダカールラリーでこの撥水性が役立つか、試してみたいですね」

コンペティションパンツの特徴である撥水加工がさっそく高温多湿な地域でのレースに役立っている。撥水加工は純粋にモトクロスやトライアルで必要な機能ではないが、マディのレースで快適に過ごせるのは大きなアドバンテージでもある。

画像3: 熱帯のレースで池町が感じたこと

日本の山岳地域での活動経験も豊富な池町は、ジャージについても好感触を得たそうだ。

「サバイバルな環境で大事なのは、汗の処理です。今はハイテク素材を活用したウエアが山ほどありますが、冷感素材はオートバイに向いていないと思っています。汗をかいた後にどうしても身体を冷やしてしまうし、汗でウエアが体にまとわりついてしまう。気温が下がったら身体が動かなくなり、山の中ではそれが命取りにもなり得ます。

このジャージで感じたのは、汗でウエアがまとわりつかないことですね。今回はベストタイプの汗対策インナーを着ていたのですが、袖部分も汗によるまとわりを感じなかったですから。たぶん1枚で着たとしても、そういうストレスは無いはずです」

ラリーとロングツーリングの共通点

Off1を主宰する風間深志が立ち上げたSSTRはサンライズ・サンセット・ツーリング・ラリーの略。競技性はないものの、チェックポイントをまわって太平洋から日本海へ横断する、これもまた「ラリー」のひとつである。いまや毎年1万2000人以上がエントリーしており、ツーリングライダー達の憧れのイベントとして君臨している。オートバイで走る以上、雨や風や暑さ寒さ、様々な気象条件に耐えなければいけないし、それが日の出から日の入りまで一気に走らなければいけないSSTRとなると、かなり過酷なものになる。レースのようにクローズドコースを走るわけではないから公道を走る上でのマナー、安全についても100%自己責任が問われ、ライダーとしての真摯な姿勢も求められる。

SSTRはツーリングでありながら、ラリーでもある。参加者たちが着用しているウエアは様々だが、一般的にはオートバイツーリング用のウエアが主流だ。プロテクションをすべてワンパッケージに収めた一般的なツーリングウエアは一見快適そうに見える。だが、重さや動きやすさの面では、スポイルされる部分もあるはずだ。

プロテクションは今の時代であれば様々な装備を選択できる。ウエアに必ずしも含まれている必要はないから、動きやすさを最大限に発揮できるウエアと、プロテクターを組み合わせることで自分好みのツーリングセットを作れるはずだ。モトクロスパンツにジャケットをあわせたようなセットでツーリングするオフロードライダーは少なくなかったが、池町がロングライドに適していると太鼓判を押したゴールドウインのコンペティションパンツ&ジャージは、よりロングライドをスポーツとしてとらえるオフロード乗りに、うってつけの組み合わせと言えるだろう。ダカールもSSTRのようなラリーも、そして林道ツーリングも同じ地平でつながっている。日本のオフロードを走るライダーにこそ、最先端のレース環境で使われるウエアを試してもらいたい。

画像1: ラリーとロングツーリングの共通点

Goldwin
Competition Jersey
¥15,400(税込)
カラー:スカーレット、ナイトネイビー、フロスティブレー、ダークスレート

画像2: ラリーとロングツーリングの共通点

Goldwin
Competition Pants
¥32,450(税込)
カラー:スカーレット、ナイトネイビー、フロスティブレー、ダークスレート

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