一日で、全バラできるかな?
バイク系のムック本などでおなじみのスタジオタックさんから「不動SRを自分で整備する本―初歩のメンテから全バラまで―」という本が出ているほど、SR400/500というオートバイをレストアしたい人は多いらしい。43年間で12万台以上も生産されたというとんでもないバイクなのだから、タマも他のバイクより桁違いに多いし、中古部品もやたら手に入れやすい。レストア初心者からしたら、とりあえず形にして動かすまでならチョー簡単な登竜門といえるのかもしれない。きっとそうだ、信じるものは救われる。
SR500を持ったのは人生で3度目。エンジンを一度おろした経験もある。いろんなことを思い出しながらバラしてみよう。きっと何も見なくても、バラせるはずだ。なぜバラすのか? それはフレームの傷みを確認するためである。バイクのフレームで一番傷みやすいのは、ボトム部分でそのあたりをちゃんと見るにはフレーム単体にする必要がある。浜辺の屋根に穴が空いた倉庫で眠っていたこの78年式SR500は、マシン上から海水が流れて車体下で長い時間滞留しているかもしれない。とにかく、その辺の確認も含め、レストアの方向性を探るには全バラなんである。
作業を始めるにあたって、まずはセンタースタンドをかける。センタースタンドも動きが渋いな……えいっ。あ。折れた。センタースタンドが錆びすぎてて折れましたよ先生!!!
気を取り直して、まずはシートを外してみる。シートは持ち上げただけで鉄製のシートベースがクッキーみたいにさくさく割れていくという不思議シートになっていた。なんでかな?
使えたらいいなーと思ってたタンクは、底がありませんでしたっ!
ライトを外して…
再生したい初期型黒盤メーターは大事に保存。
だんだんハイになってきたよ?
やべぇのたくさん出てきたよ?
すべて見なかったことにして、マフラーを外しにかかるんですが、またしても錆び付いてて駄目なんですよ。ほんと動かねぇの。
なもんで、バールでこじる。こじりまくる。マフラーはかなりきれいだったんで、純正のままいこうかななんて思っていたのだけれど 。
はいでましたー。なにこれ? ミルフィーユか、純正マフラーがどれだけ消音されているか見える、カットモデルなのかな? そして注目して欲しい。この錆クズの量を……。
キャブ、外れないんでドリルでマニホールドをもんで剛性をおとしにかかりました。
マイナスドライバーでバンドをたたき切る。これはバラしじゃなく、もはや破壊である。
なんでここにこんな粉末が溜まるのかな? おかしいなぁ。
プラスのネジは、一カ所もまわるところがありませんでした。最少記録。スロットルホルダーは、ハンマーでたたき抜く作戦敢行。
さぁ、エンジンをおろします
エンジンマウントボルトは、わりとすんなり抜けたんだけど……ここのエンジンマウントのプレートを止めているボルト、しっかりナメちゃったんでしばし休憩。ホムセンに武器を調達しにいったりしたけどどうにもならず。エンジンはもう今日は降りないかなーと思っていたのだが。
お? いけそうじゃん。
臓物ぬきました。んで、フロント・リアまわりをハズして…。
イエス、アイキャン。
さっきまでオートバイだったもの。
これもさっきまでオートバイだったもの。これだけでキロ単位あるんだよねぇ。つまりキロ単位の軽量化になってんのかな。ははーん。
外したパーツはしっかり保管。
思ったより重傷やんか……。フレームの触診は次回へ続く!