KTMの本社から、5月5日に強烈なプレスリリースがお披露目された。“Something is coming: are you ready to get serious?”と題され、SXシリーズ(モトクロッサー)に対しての新商品が予告されている。こちらティザー写真をみるに、FI搭載の2ストロークSXであることは、もはや明白。その背景などを紐解いていこう。

T“B”I化すると見られるKTMの2ストローク

画像1: T“B”I化すると見られるKTMの2ストローク

KTMが出した次なる2ストロークは、このティザー写真に読み取ることができそうだ。ちょっとカンニング気味だが、欧州でリークされている記事にもTPIつまり、掃気ポートのインジェクションはなくなっている(いや、そもそもSXシリーズにはTPIがなかったのだから、不適切な表現かもしれない)ことが確認できる。某記事では新型はTBIになるだろう、と推測されていた。2023年式のSX125は、この新型FIで登場すると言う見方をするのが適当だろう。最も需要の低いSX250については、EXCのベースになることを加味して、やはりこの新型FIを搭載してくる可能性が高い。

画像2: T“B”I化すると見られるKTMの2ストローク

チャンバーを見ても、125ccだろうと推測される細さ。

画像3: T“B”I化すると見られるKTMの2ストローク

全体像をみても、サイレンサーの姿から125らしきことが見て取れる。

画像4: T“B”I化すると見られるKTMの2ストローク

TPIにあったフレームのオイル吸入口はない。研ぎ澄まされたSXシリーズには、おそらく分離給油は搭載されないはずだ。

4ストのSXシリーズに関しては、すでに2022ファクトリーエディションが発売されており、クイックシフターが搭載されるなど、フルモデルチェンジが示唆されている。

画像5: T“B”I化すると見られるKTMの2ストローク

シュラウドの模様も

画像6: T“B”I化すると見られるKTMの2ストローク

大きく開けられたリアの吸入口も、すでに発表されている4ストファクトリーエディションと同じものだ。

TPIが目指してきたものは、キャブレターと同等のフィーリングだった。しかし、発売と同時にキャブではありえないメリットが山ほどTPIにはあった。混合ガソリンをつくらなくていい、という前時代的なものはとりあえず無視するとしても、オーバーフローしないため2スト特有の燃費の悪さが改善する、基本的にリーンなセッティングが出しやすくて低速において高ギヤで負荷をかけるようなシーンでも前に進みやすいといったようなものだ。初年度以降のTPIは、年々改善されていったことでFI特有のドンつきなどもどんどん無くなっていって、高年式のTPIに対して不満をあげるものは少なくなっている。

はっきりいって、純レーシングマシンのSXシリーズには環境対策を推し進める必要はない。SDGsの一環でKTMがSXをFI化するとは、ちょっと考えづらい。だとすると、やはり新しいFIはキャブレターをうわまわる武器なのだ。

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