エンデューロバイクの中でも特に扱いやすいエンジン特性を持つフルサイズマシンとして多くのライダーに愛されるBETAのX-Trainer250/300。初心者から上級者まで幅広くカバーするモデルだが、そのコンセプト上どうしても純正サスペンションはローコストな設定になっている。ところが、そんなX-Trainerを大幅にアップデートしてくれるサスペンションキットが、テクニクスから発売しているのだ。
全日本ハードエンデューロ選手権G-NETで伝説とも言える6年連続チャンピオンを獲得したロッシこと高橋博が、そのサスペンションの開発ライダーを務めている。
X-Trainerはスリムかつコンパクトな車体設計で、2ストロークのフルサイズマシンでありながらビギナーでも扱いやすい「オールラウンドエンデューロバイク」をコンセプトとしている。しかしながら、同じ排気量のエンデューロレーサーRR2Tシリーズとの差別化もあり、高い速度域での走行はあまり想定されておらず、エンデューロやクロスカントリーのハイカテゴリーで戦うことを考えると、どうしてもサスペンションに限界を感じてしまう。
誤解を与えないように補足したいのだが、X-Trainerの純正サスペンションは通常のトレールマシンに比べると、ストローク量もあり、よく動く。しかし、ハイスピードでコーナーに進入してブレーキングしたり、連続したギャップをある程度の速度で走破するような走り方は想定されておらず、レースのトップカテゴリーで戦うには、少々荷が勝ちすぎてしまうのだ。また、下り斜面を下りきった衝撃などで、比較的容易に底付きしてしまう。
そんな悩みを解決すべくテクニクスと高橋がテストを重ね、満を辞して発売したのが、このサスペンションなのだ。