下田のヒート1は、開幕から引き続き「乗れてはいるが、マシンにはコンプレインが残る状態」であった。それでも、マディのハイポイントを10番手あたりでスタートし、早めに追い上げていけるレース展開は、下田の自己評価も悪くはない。早々に、ジャスティン・クーパー、ジェット・ローレンス、下田丈の3人でバトルとなり、20分もの長期戦へと進展。ジェットを延々つつきつづけた下田だったが、その前方ジェットとクーパーも同じ。クーパーが耐えきれずジェットにパスされてしまうのだが、下田はこのクーパーのブロックに阻まれ、ジェットを逃してしまうこととなった。
アンラッキーなモト2
モト2、スタートの出足は悪くなかった。しかし、1コーナーになだれ込んでいくなかで、ディラン・スウォーツがイン側から下田に接触。これで下田のマシンはフロントがフォークナーに接触し、右側に転倒。
不運としかいいようがないこの展開は、さらに悪化。多重クラッシュのなか、下田のバイクのハンドルが、他のライダーのホイールに絡まってしまい、このチェーンを切断しなければ抜けない状態に。2周もかけてなんとか走り出したときには「ハンドルが曲がっていて、このまま走ってもケガするだけだと思いました。僕も、チームも、これ以上走るべきではないと判断」してアウト。
とかくスタートに課題がのこるのだが、次戦からの対策として下田はマシンをスタートにあわせてセットアップするとのこと。スタートで掘り返された路面にはいったタイミングで、他車よりわずかに失速してしまうと感じており、そのあたりでしっかりパワーがのるギヤリングに変更するとのこと。「自分から提案したセットアップです。これまでは、ライディングだけで対応しようとしてきたんですが、いまはバイクづくりも大事だということがよくわかってきました」と下田。これまで、バイクのことはコメントもあまり出てこなかったのだが、昨今頻繁に出てくるようになってきた。マシンの善し悪しも、細かく判断する力がついてきたのかもしれない。レッドバッドまでの2週間で、どこまで追い込むことができるのか、乞うご期待である。