全日本モトクロスは、はやくも折り返しを迎えて第4戦SUGO。ただし、広島が延期処置となっており、実質3戦目のレース。Off1.jpがフォローしつづけているGOSHI Racingも、しっかり作り込んだマッピングで新しいSUGOのレイアウトを攻略にかかった。
今季、GOSHI Racingはライダー石浦諒の負傷によって、自社ライダーによる参戦開発から、T.E.SPORTにライダーを委託する開発へと切り替えているのは、再三お伝えしているとおり。そのwith GOSHI Racingをチーム名に背負うのは、T.E.SPORTエースの大塚豪太である。関東大会では、スリップオンマフラーのみを採用、エキゾーストパイプはリゾネーターがはいったスタンダード品を使用していたが、このSUGOでも同仕様でSUGO専用にあわせたマッピングを準備した。
1ヒート目、4番目くらいのグリッドでうまくいかず…2ヒート目は中央付近のグリッドへつけた。だが、両ヒートともしかしスタートに悩みを抱える結果となった。だいぶ出遅れてしまったヒート1、10番手でオープニングラップを回るが、じわじわと前走者をぬいて8位でのフィニッシュ。
ヒート2は、10番手から7番手まで一度浮上するものの、11位という結果におさまった。15分という短いヒートゆえ、スタートはその後のレース展開にとても大きな影響を及ぼす。この悪循環にGOSHIと大塚は、なんとか前に出られるように、と策を講じた。
「ロガーのデータをみせてもらって、出ているときと出ていないときのアクセル開度をアジャストしていった形です。開け出しの位置とかを意識して出れば、3ヒート目は出ることができました」と大塚は言う。ロガーで検証したのは、事前テストのデータと、ヒート1/2のデータであった。「レースになると気持ちが昂ぶるし、まわりのエンジン音が聞こえてきて自分のバイクのエンジン回転数を把握できていないところがありました。ロガーをみてもらうとわかりやすかったんですが、5秒前ボードが出た時に少しあけすぎている感がありました。そこを抑えてみようというアドバイスをいれたのです」と石浦は言う。
加えて、エンジンマネジメントも出られない原因だった。「スタンダードのバイクも同じですが、エンジンの熱が高まると、噴射制御が入ってしまうんです。伸び感がなくなってしまう。だから、極力温度をスタート時にあげないように、と大塚選手につたえていました」と石浦。だが「3ヒート目は、スタート後に転倒してしまっていました。ステップアップのところで他車と絡んでしまってクラッシュ。アタマをうってしまったことで、ちょっとふらふらしてしまい…リタイアはしませんでした。最低限のポイントは守り切った感じです」とのこと。石浦は「結果にはむすびついていないのですが、改善はされつづけているので、後半に期待したいです」と話す。
ちなみに…「今のマフラーは、グリップ感はいいのですが、僕はもう少しタイヤが路面をかいてくれるほうが好みなんです。コーナーの出口なんかでリアをふり出したいときに、グリップしてしまうとうまくいかないんですよね。特に日本に多いカチカチのハードパックでは、GOSHIのマフラーはとても相性がいいと思います。路面状態が柔らかくなったときのパワー感がほしい、と開発陣にはフィードバックしていますね。ただ、なかなか日本のコースはレース時以外に耕されていることって少ないので、テストもしづらいのです」と大塚談。次戦名阪は、サンドでパワーが食われやすいコース。時間もあるので、フルエキゾーストを準備していく予定。期待がかかる。