用途に合わせて丁数チェンジ
スプロケットはフロントを1丁落として14T、リアはノーマルのまま。杉浦さんのトレッキング、街乗り仕様はこの組み合わせで十分とのこと。トライアル遊びをするときや、タンデムでのイベントで野崎選手が乗る時はフロント12Tに変更しています。フロントだけを変えるのは、交換頻度が多いので手軽に変えるためとのことです。スプロケカバーは排泥性向上の為に、穴あけ加工を施しています。
「普段の街乗りがメインで、時々林道も走るユーザーなら前は13丁ぐらいがいいと思いますよ。13ならギアチェンジも忙しくなく、国道も流れに合わせて走れますよ」と杉浦さん。
チェーンはセローでは520へのコンバートも有名ですが、あえてノーマルの428をセレクト。428だとフロント丁数12−15が使えるようになり、細かく調整可能ですが、520だとこの調整が細かくできません。
見た目は純正シートですが、足つき向上のため約20mmローダウンされています。
ステップにはタンデムオリジナルの物を使用しています。純正のものは後ろ下がりなステップですが、オリジナルは後ろ上がりに加工されています。ポジションも約20mm後方に下がっており、踏み面もワイドになっています。この前傾になっている所がミソで実際に足を置いてみると前下がりになってる分、スタンディングの姿勢がかなり楽になり、リアタイヤに体重も乗せやすくなります。
アンダーガードは力造ブランド。5mm厚で底面はフラットの物をチョイスしています。柔らかいものだとエンジン側に段々反ってきてしまい、硬すぎる物だとフレームが傷んでしまうとのこと。「アンダーガードは消耗品なのでこれくらいの強度のモノで十分ですよ。大事なのはエンジンの下をしっかり守ってくれることですね」
樹脂製の物や、横までフルカバーするガードもありますが、杉浦さんはエンジン下のみ。その理由を聞いてみると「エンデューロの様にスピードを出すなら横のガードも必要ですが、僕らはトレッキングでそんなにスピードも出ないのでいらないですね。林道ツーリング程度なら樹脂でもいいですけど、本格的に遊ぶならやっぱり金属じゃないとダメですよ。岩にヒットした時に樹脂だとどうしても割れてしまいますから」とのこと。
タンデムスペシャルセロー
このタンデムスペシャルセローは、杉浦さんの2018年式のセロー250。製品の装着テストもこれで試しているそうです。ここまで説明してきた様に各所に乗りやすい工夫がされたこのマシン。実際に僕も少し試乗させてもらいましたが、スタンディング時の姿勢、体重移動が非常にしやすくノーマルのセローとは全く違う乗り心地でした。
「僕はロングツーリングやエンデューロには出ないので、普段の街乗りとトレッキングで楽しく軽快に乗れるように作っています」とマシンコンセプトを話してくれました。
今回お邪魔させて頂いたタンデムの店長、杉浦勝好さん。お客さんやトライアル仲間からは「大将」のニックネームで親しまれています。セローのことならわからない事が無いくらいの知識であなたの悩みをきっと解決してくれます。