フロントサスペンションの秘密は、擬似カートリッジ式への変換にあり
フロントサスペンションにはNAG製のネコアシダンパーシステム を採用しています。ダンパーロッド式のセロー250のフロントサスペンションにBURRITOを組み込むことで、伸び側の減衰機能を向上し、縮み側の減衰力を任意に調整できるように変貌。カートリッジ式のサスペンションをシミュレーションしたものと言えるかもしれません。無加工で取り付けできる点もグッド。
ネコアシダンパーシステムとは…
内部ではオイル流量の変化に対応して開口面積が変わるバネ作動弁を設けており、フォークのストロークスピードに応じた減衰力が発生しています。「硬いオイルを入れるとほとんど動きません、例えば10番のオイルをいれると硬すぎて乗れないくらいです。普通の人が林道を走るなら5番あたりがおすすめですね。ちなみに僕はよく動くサスが好きなので0番を入れています。
スタンダードのサスだと、サスペンションの動きにあわせたダンパー性能が出ません。固いオイルを入れれば、入り口も固くなってしまう。そこでネコアシダンパーのバルブを組んでやることで、動きに応じた特性を出してやる。岩場もこれなら平気です」と杉浦さん。
ツーリストにおすすめしたい、フロントサスの突き出し
タイヤはIRCのTRAIL WINNER TR-011 TOURIST を前後に採用しています。タンデムのお客さんのでトライアル遊びをする人は必ずと言っていいほど履いている理由を杉浦さんに聞いてみました。
「確かに街中で乗りやすいのはノーマルタイヤですが、普段乗りでも滑りにくく、林道でも楽しく走るとなるとツーリスト一択ですね。ノーマルタイヤでは、ガレや湿った場所などの条件が悪いところだと滑ってしまいますが、ツーリストだとしっかり食いついてグリップしてくれます。さらにこれだと林道が荒れにくいのもポイントですね」
車体姿勢はフロントフォークの突き出しで調整しています。「フォークの突き出しは必須ですね。ノーマルの突き出し量だとツーリストを履いた時に重く感じますが、ちょっと突き出す事で軽快に変わります。トライアル的なターンをするなら必ずやりますね」
ブロックタイヤの多くは、路面を削ってしまうものばかりですが、トライアルタイヤならそのリスクもありません。そういった業界のことも、念頭にいれているそうです。
リアサスのサブタンクはなぜついているかって?
リアショックはG-senseでカスタムされたOHLINS製のリザーブタンク付きをチョイス。「長時間ハードな乗り方をしても、タンクがあるおかげで全然タレないんですよ」とのこと。スタンダードではオイル量も足らず、長く遊んでいるとダンパーが効かなくなってきてしまいます。
杉浦さんの好みに合わせてダンパーを緩め、80Nと少し硬めのスプリングを導入しているとのことです。そのままだとノーマルよりも車高が上がってしまうため、イニシャルを少し締めて調整し、ノーマルサスの車高に近づけています。G-senseカスタムではなくタンデムオリジナルチューンのリアショックも販売中です。