2020年、ホンダは全日本モトクロスにおいてファクトリー活動を展開しない。公式の発表では、休止とも撤退ともされていないが、日本のモトクロスにおける絶対王者成田亮を抱えてきた、Team HRCが活動しないことは、プロライダーとしての活動を著しく制限されることを意味する。プロとして25年活動してきた成田が、3月12日に緊急記者会見を開いた。
「今シーズンをもって、プロライダーとしての活動をおわりにします」と、成田亮は発表。ライブ中継に向けて、涙を流した。
みんなに観てもらいたいから、シーズン前に引退を宣言する
日本のモトクロス界においては、シーズン前に引退を発表するのは極めて異例だと言える。だが、こと海外においては、今季チャド・リードがシーズン前の公表をおこなっているとおり、わりと通例である話だ。事前に引退を宣言し、花道を1年ファンが見守ることを、フェアウェル・ツアーと表現するメディアもある。
緊急記者会見は、福山理子が司会を務め和やかな団欒から始まった。サプライズゲストとして登場したのは、成田のチームで2020年アドバイザーを務める熱田孝高、また監督を務める川村幸市。「25年という節目の年に、こういうチームで参戦できるのは幸せなことだと思います」と成田。
メカニックには、伊藤昌弘が就任。「セキレーシングモトロマンで、プライベーターとして参戦した2004年とは比べものにならないほどの仲間が支えてくれる」と成田は言う。
王者としてありつづける
緊急記者会見は、録画も配信中だ。