気付きはじめたライダーたち
「サスペンションをライダーに合わせてチューンナップすることで、モーターサイクルは初めて100%の性能を発揮する。マフラーとか、いろんなアフターマーケットパーツがありますが、まずはサスペンションが一番大切だということを理解するライダーが徐々に増えていると感じています」。サスペンションの性能は、カタログスペックに記載できる種類のものでもない。ライダーはどうしても、軽量化や、パワーアップといった方向に目を向けてしまいがちだ。だが、それらすべてを載せて走らせるのサスペンションの重要性に、日本のライダーはようやく気付き始めている。
鋭い視線の先に
「レース中のマシンの動きを見る目が違いました。この人が造るサスに乗らせてみたい。そう思ったのがRG3のユーザーになるきっかけでした」と話すのは、2019シーズンからGASGASを走らせている保坂修一とともにメカニックとしてレース活動をしている父、保坂一洋。当時、YZ250を愛機としていた保坂のオファーを福森は快諾。保坂修一は一発でRG3のサスを気に入った。「まったくフィーリングが違う。接地感が格段に良くなって、自信を持って攻めることができようになったんです」と振り返る。
攻撃的な保坂のスタイル
福森はこう話す。「保坂君のレース中の走りを見たり、本人からのリクエストを聞く中で、エンデューロライダーとしては比較的アグレッシブなスタイルで、ピックアップの鋭いパワフルなエンジン、かっちりしたフレーム、ハードなサスを好むライダーだということがわかりました。GASGASのEC300は、その意味でも彼にぴったり合ったマシンだと思います。ですが、日本のエンデューロには低速で、テクニカルなセクションも多いし、マディも多いですから、そうしたところでより強いトラクションが得られるセッティングが良いと考えました」