vol.1に引き続き、vol.2も開発責任者の森田健二氏にお話をお伺いしながら、ディープな新アフリカツインの世界へ没入していこう。大事なコンセプトのストーリーから階層を掘り下げ、エンジンや足まわりの話へ。
ただ1100ccになったのではない
エンジンは、1100ccに大型化されているものの、95ps→102psとそのパワーアップは7%にとどまり、大きなものではない。
新型 | 旧型 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 75[102]/7,500 | 70[95]/7,500 |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 105[10.7]/6,250 | 99[10.1]/6,000 |
森田氏はこの数字について語る。
「1100ccに変更した最大の目的はトルクです。開けていってパワーが出る特性が欲しかったのではなく、普段使いの回転数でトルクを出したかったので、ボアを拡大せずにストロークを伸ばしました」
新型 | 旧型 | |
総排気量(cm3) | 1,082 | 998 |
内径×行程(mm) | 92.0 × 81.4 | 92.0×75.1 |
上記表のとおり、実に1.08倍のストロークアップを果たしている。
そのため、エンジンの出力特性は見ての通りスーパーフラット。特に低中速のトルクの豊かさは、100cc以上のフィーリングに感じることができるのではないだろうか。
従来通り、MTとDCTの2タイプを用意しているが、排気量をアップしておきながらマニュアルトランスミッション(以下MT)タイプで -2.5kg、Dual Clutch Transmission (以下 DCT)タイプで-2.2kgの軽量化を達成。
スロットルボディは大径化し、吸気ポートやインジェクターの角度もそれにともなって見直し。従来どおり、スロットルバイワイヤでホンダオフロード随一の電子制御ユニットとなった。