足付きが圧倒的に向上
そして、また明確に旧モデルとコンセプトを異にするのが足付き性能だ。簡単に表にしてみたい。
新型CRF1100L | 旧CRF1000L | ||||
STD | アドスポ | STD | アドスポ | アドスポ LD | |
通常ポジション | 830 | 830 | 870 | 890 | 830 |
ローポジション | 810 | 810 | 850 | 870 | 810 |
旧CRF1000Lでは、ロングストロークのサスペンションを得た代償として、スタンダードでも870mmmのシート高だった。そして、発展版だった後発のアドベンチャースポーツでは、さらにサスペンションをオフロード向きに改良(そう、アドベンチャースポーツは、旧モデルにおいてはさらなるオフロード性能の追求版だったのだ)したため、890mmまでアップ。それでは乗れる人を限定してしまうと言うことで、LD(ローダウン)バージョンが用意され、830mm。
さて、新型はと言うと830mmなのである。森田氏は、足付きについてこう語る。
「サブフレームを別体式のアルミ製にすることで、シートとの干渉をさけることができ、結果的にシートからまっすぐ足をおろせる形状になったことで、足付き性を向上しています。これは、グローバルで同じです。
海外モデルでは、スタンダードもアドベンチャースポーツも、870mmのシート高としました。国内モデルはどちらもサスペンションで830mmに下げています。シートを差し替えれば810mm、ローシートを装着すればさらに下がります(805〜785mm)。日本では870mmの車体は販売しません。
販売店や、ユーザー様の声を反映して、こういった設定になっています。旧モデルのアドベンチャースポーツは、LDのほうが売れ行きはよかったのです」と。
より、本格的なオフロードモデルになればなるほど、サスペンションは長くなるのがオフロードの常だ。だが、競技を楽しむライダーにおいても、サスペンションは性能を犠牲にしても短くしたほうが、より乗りやすく、結果的にタイムもよくなるという判断をするライダーは多い。車重のあるアフリカツインでは、さらにその傾向が強まるだろう。アフリカツインの主だたるユーザーにマッチさせた足付き設定は、英断とすべきか…その判断はインプレッションまで待たれることになりそうだ。