前戦イーストラザフォードで大勢が決した450SX
最終戦を前にしてC・ウェブは2位のトマックに対し23ポイント差を築きました。そのためトマックが優勝してもウェブが20位以内に入ればチャンピオン決定という局面。ホールショットはトマック。ウェブ、ムスキャン、オズボーンと順当に続きます。
イーストラザフォードではトマックに絡む積極的な走りが見られたウェブですが、ここラスベガスではとにかくトラブルなく走り切り、年間チャンピオンを獲得することがマスト。とにかく優勝するしかないトマックがスタートでトップに出たため、ライバル不在かのような展開に。
イーストラザフォードの荒れた展開が嘘のように、順位の変動が少ないレースになりました。リザルトはトマック、ムスキャン、ウェブ、ロクスン、オズボーンの順。
KTM移籍1年目のC・ウェブがポイントリードを守りきり、450SX初の年間チャンピオンを獲得しました。
東西のチャンピオンが決する250SXは大波乱!
逆転優勝の可能性が少なく、地味なレース展開となった450とうって変わって、イースト、ウエストどちらも十分に逆転の可能性が残されている250SXは東西混走のショーダウン。
イーストではシーズン終盤にランキングトップのA・フォークナーが負傷欠場、C・セクストン VS J・クーパー。ウエストではA・シアンサルートVS D・フェランディスという構図になっています。
ホールショットはR・ハンプシャー。しかしすぐにウエストの逆転優勝を狙うフェランディスがトップを奪います。ライバルのシアンサルーロは5番手からセクストンを抜き4番手に順位をあげます。ウエストはフェランディスが優勝してもシアンサルーロが4位以上で完走すればがシアンサルーロがチャンピオンを獲得という状況。
一方、イーストはポイントリーダーのセクストンが4番手、9ポイント差で追うクーパーは11番手と苦戦。セクストンはクーパーが順位を上げてこない限り、無理せず今の順位を維持したいところ。シアンサルーロとも争わず、パスされるままに4番手を維持します。
しかし、なんとレース時間残り4分というところでシアンサルーロが単独クラッシュ! 順位を8番手まで落としてレースに復帰したものの、明らかに精細を欠いた走りでピットイン。スタッフがフロントタイヤを蹴り飛ばして大急ぎで捻じれを直してレースに復帰するも、明らかなペースダウン。順位も大きく落とし、チャンピオンは絶望的に。
ファイナルラップはフェランディスが噛みしめながら周回し、ウエストのチャッピオンを獲得。イーストは順当に4位でチェッカーを受けたセクストン。
シーズン開始当初は450SXでトマック、250イーストでフォークナー、250ウエストでシアンサルーロとカワサキの全クラス制覇も濃厚、と囁かれましたが、まさかのノータイトル。やはり、KTMのチーム力、侮れません。