18ダカールを戦った風間晋之介のマシン連載も、今回で最終回。気になるタンクまわりを見ていく。
31Lのタンクが、風間に悲劇をもたらした
ラリーといえば、ビッグタンク。昨今では、前後に装着しているのが普通で、WR450F Rally Replicaもそうだ。タンクはACERBIS製、リアには他のパーツがアタッチメントできるよう、ボルト穴が埋め込まれている。
悲劇を生んだのは、この右側フロントタンクだ。マラソンステージで冷却周りにトラブルが起きた風間は、マシンメンテナンスの最中さらなる悲劇を発見する。それが、フロントタンクからの燃料漏れだった。写真の箇所、奥側から相当な勢いで漏れていたという。
フロント、リアのガソリンは電子制御されていて、RNS(シルバーのトリップメーター)脇のトグルスイッチで切り替えが可能だ。運良くマラソンステージ後半がキャンセルされた風間は、フロントタンクを外してクアッドのライダーに運んでもらい、リアタンクだけでキャンプ地を目指した。
ラリーバイクは車高が高い…
ただでさえ車高が高いフルサイズエンデュランサーの足回りを伸ばし、ビッグタンクを積んだことで、このマシンの車高は相当に高く、見た目も巨大だ。
YZ系のバイクを所有する方なら、この位置関係の高さがわかるはず…。
なお、WR450F Rally ReplicaにはGETがインストールされていて、風間もわりと多めにモードを切り替えながらはしっていたとのこと。
幸いなことに、日本には全日本モトクロスがあるためにスペシャルなオフロードバイクを見る機会に恵まれている。とかく、究極のステージを走るマシン達は、宝石のように美しい。このWR450F Raly Replicaは、いつまでもこの姿を保っているわけではないそうで、忙しいスケジュールの合間を縫って撮影させていただいた。関係者各位、風間晋之介にあらためて感謝の意を表明したい。