髙橋が他を寄せ付けない速さで実力を示す。ファースト65/110/リミテッド50クラス
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ファースト65/110/リミテッド50クラスは昨年のトップライダーがスーパー65クラスへとステップアップし、参加ライダーの顔ぶれが新たになりました。この開幕戦で勢力図が示される、という状態で迎えたヒート1。スタートからトップに立ったのは#88髙橋蓮晟です。髙橋は昨年の第4戦からファースト65クラスに参戦。最終戦では両ヒートともに表彰台に登りその頭角を現していました。他のライダーのラップタイムが2分台の中、髙橋は1人1分58秒台を記録。周回を重ねるごとに後方を引き離し、単独走行へと持ち込みます。2番手には#12篠田昇冴、3番手には#78前田光琉がつけて追いかけますが、トップ3の間隔は開いたままチェッカーを受けました。
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一方、後方では#70中川奈渚、#300小森翔馬、#668澤端律希の3台が4番手をかけた接戦を展開します。序盤は中川がポジションを守りますが、小森と澤端が中川を上回るラップタイムで徐々に接近。レース中盤で小森が4番手、澤端が5番手に浮上します。さらにレース終盤には澤端が小森に迫り両者譲らぬ攻防戦が繰り広げられましたが、最後まで守りきった小森に軍配が上がりました。
ヒート2でも髙橋がスタートで前に出るとそのまま後方を引き離します。2番手とは47秒もの差を広げてチェッカー。その存在感を示しました。一方、2番手には好スタートを決めた前田がつけます。110ccマシンをスムーズに乗りこなし、2位でゴール。65ccマシンがトップを占める中、表彰台圏内に食い込むその速さは目を見張るものがあります。さらに、3位には5番手から追い上げた#105祐高が入賞。周回するごとにペースを上げて追い上げるその粘り強さが光りました。
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小島庸平のワンポイント・コメント!
「優勝した髙橋選手は新しく参戦してくれたライダーですが、1人スピードがずば抜けていましたね。モトクロスを始めてからそこまで日が経っていないということで、驚きました。篠田選手も食らいついていましたが、転倒もあり惜しかったですね。次回も期待が高まるレースでした」
齋藤稀が追い上げ3連勝、熾烈な3番手争いも。スーパー65クラス
スーパー65クラスは、昨年チャンピオンの#4齋藤極が85/150クラスにステップアップ。チャンピオン不在の中、昨年に引き続き参戦する#7市澄海をはじめ、昨年のファースト65クラスチャンピオン#35川村來輝や、2024年にスーパー50クラスでチャンピオン争いを繰り広げランキング2位となった#4齋藤稀が2クラスステップアップしてきたことにより、トップ争いは拮抗することが予想されました。
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レースは10分+1周の3ヒート制で行われました。ヒート1、市がスタートで前に出ますが、齋藤稀がすぐにトップに浮上。スーパー50クラスの時も見せたスムーズな走りでスピードを乗せ、序盤で4秒ほど差をつけて後方を引き離します。一方、後方では3番手を走る#99好川翼に#22井口藍暉が接近。徐々に距離を詰め、レース中盤で3番手を奪取します。しかし好川も離されることなく負けじと食らいつき、接近戦が展開されます。2人の差は1秒を切り、好川がチャンスを狙いますが、井口も懸命にラインをブロック。結果、1位齋藤稀、2位市、3位には攻防戦を制した井口が入賞しました。
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ヒート2も市がレースをリード。齋藤稀が約3秒ほど速いラップタイムで追い上げ、序盤でトップに立ちます。その後トップ2人の差は開き、そのままの順位でフィニッシュを果たしました。一方、このレースでも3番手争いは激しく、井口の後ろについた好川がチャンスをうかがいます。井口は後方からのプレッシャーを感じつつも、最後まで前を譲ることはなく、ポジションを守り切りました。
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齋藤稀が3連勝を果たすのか。注目が集まったヒート3は、スタートから市がトップを快走。同じく好スタートを決めた好川が2番手につけて追いかけます。齋藤稀は3番手から追い上げますが、市は自身のベストラップタイムを更新してトップの座を守ります。そのまま逃げ切ることができるかと思われましたが、齋藤稀もペースを上げてレース中盤にトップへ躍り出ます。結果、齋藤稀が3連勝し他を圧倒しました。トップ争いで粘り強さを見せた市も成長が著しく、今後の優勝候補になるでしょう。
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また、2ヒート通して接戦を繰り広げてきた3番手争いは、ヒート3も激化しました。スタートから差をつけていた好川を井口が猛追。最終ラップには好川の後ろにつくと、最終コーナーでインを突いてパス。最後の最後に3番手に上がる、その冷静なライン取りとレース運びが光るレースとなりました。
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なお、川村は上位ライダーより少し差が開いた状態でのレースでしたが、ラップタイムを見るとヒートを重ねるごとにスピードを上げ、上位陣との差を着実に詰めていることがわかりました。レースを通しての成長に今後も期待が高まります。
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小島庸平のワンポイント・コメント!
「齋藤稀選手はスーパー50クラスから、井口選手や川村選手はファースト65クラスからステップアップしてきて、成長を感じますね。レースでは市選手がスタートから前に出ていましたが、結果は齋藤稀選手が3連勝。速かったですね。特にホームコースということもあって、コースのライン取りやスピードの乗せ方が一際上手かったです」