子供とバイクを楽しみたい、と思ってきたお父さんが綴る、失敗の日々と成功の記録。やっと理想郷にたどり着きました

自分が好きなものを子供が好きになるわけじゃ無い

誰しもが「自分が、もし英才教育されていたら、すごいことになったはずなのに」と一度は思ったことがあるんじゃないだろうか。3歳からバイクに乗っていたら今頃IBくらいにはなれていたかもしれない、というような感じで。人の親になるとそんなことがあるわけない、とある時気づく。

画像: 鼻歌交じりの長男と次男。競争心は特にない

鼻歌交じりの長男と次男。競争心は特にない

12年前に長男を授かった僕も、3歳頃からバイクに乗せていたら勝手に僕より速くなって、いつの間にかオフロードビレッジ(注:全日本MXも開催される埼玉県のモトクロスコース)のジャンプを飛び回るようになるんだろうなと思っていた。ところが、そもそも子供が親の好きなものを好きになってくれるわけではない、という至極当たり前の事実が立ちはだかった。ヨツバモトのMeow(注:ミャウ。対象年齢3歳から乗れる電動バイク)に乗せているうちはよかったんだけど、50ccのエンジンバイクに乗る頃にはもはや親の方が「すいませんが、今週末バイクに乗ってもらえませんか」みたいな感じでご機嫌取りをしないとコースに行くのを渋る始末であった。どうやらバイクにのんびり乗っているのは好きなようだが、速く、上手く乗ろうとは思っていないようだった。耳を澄ますと、バイクに乗っているときはご機嫌に鼻歌を歌っているのが聞こえてくる。まぁ、これはこれでいいか、と思っていた。KX65に乗り換えても鼻歌が止まることは無く、ずっとマイペース。そうこうしてるうちにクラッチ操作が難しいといってやめてしまった。2歳離れた次男も、だいたい同じだった。次男にいたっては「着替えるのが面倒だからバイクに乗りたくない」とのたまう。父は、たいへんに哀しい。

画像: スキルパークにいったり、トレイルを走ったりする日々

スキルパークにいったり、トレイルを走ったりする日々

だったら、プロテクターだけで専用のウエアに着替える必要の無いMTBに連れて行こう、と3年前くらいから親子で山に入るようにしている。これはなかなか妙案だったみたいで、とりあえず行きたがってくれるようにはなった。次男はモトクロスコースのキッズ向けエンジョイ走行枠の中ですら、のんびり走っていて追突されてしまったことがある。スピード差のあるライダーが同じ走行枠にいれば、そういうことは起こり得る。追突してしまった子のダメージも大きかった。エンジョイ走行枠にもレベルが達していなかった以前に、モトクロスコースというのはあくまでも「競い合う」ための舞台であり、そういった場所を走るのに向いていなかった、ということなんだろうか。普段は僕が後ろについて走っていたのだけど、それも今思うと迷惑な話だなと思う。一方、トレイルをMTBで走るのに速さは必要ない。どれだけ鼻歌まじりに走っていても問題はない。

画像: かなり体力に差があって、途中で断念することも多かった

かなり体力に差があって、途中で断念することも多かった

ひとつ問題があるとすれば、あまりに大人と体力が違うことだ。例えばトレイルの上りは、子供にとってはちょっと非常識なレベルで辛い。だから、この3年ほどトレイルに行くと、僕がある程度上ってから徒歩で引き返し、子供の自転車を2台押しあげる、という重労働を繰り返していた。運動不足の僕にとってはいいトレーニングになったけど、トレイルの醍醐味である下りに行くまで時間がかかりすぎて、このままでは息子たちが飽きてしまうなと思っていた。

Eバイクが解決策になる

そんな事情もあり、僕はずっと子供向けのEバイクを探し求めていた。息子たちがEバイクに乗って、僕が人力MTBに乗ればちょうどいい感じに山を楽しめるんじゃないか、と思ったからだ。そう思って探した当時もスペシャライズドの24インチなどあるにはあったがかなり高価だった。もう、自作するのもありかな、と中国のサイトで怪しいモーターやバッテリーを調べていた矢先にダートフリークからeEDIT275がリリースされた。値段も30万円を切るグッドプライス。しかも、このサイズなら子供たちはギリギリ乗れそうだし、もちろん自分も乗れる(ていうかこれが大事なんだが)。長男はちょうど母親と同じくらいの身長(約150cm)まで成長したので、Mサイズを買えばきっとぎりぎり僕と共用できるはずだと思い購入に踏み切った。

画像: 子供にEバイク、親は人力

子供にEバイク、親は人力

というわけで、早速長男と山でデートである。さすがに27.5インチのMTBは少し大きめに見えるのだけれど、なんとか漕ぎ出すことは出来そうだった。ドロッパーポストで最低シート高があがってしまっていても、なんとか足をつくこともできた。バイクで言うと、小学生を125ccクラスのマシンに乗せてみたような感じだろうか。若干ハンドルにしがみついてる感は否めない。

画像: やはりデカイ

やはりデカイ

画像: 今までは上りと行ったら押すものだったけど、遊べるプレイフィールドになった

今までは上りと行ったら押すものだったけど、遊べるプレイフィールドになった

漕ぎ出してみると、まったく問題無く走れることがわかる。いつも乗っている人力MTBとは違ってすごいパワーで進むので、それが楽しくて仕方が無い様子だった。とはいえ、Eバイクはエンジン付きバイクと比べてそれほどスピードが出る乗り物ではないから、親としてもそれほど心配しなくて済む。いつもならすぐにへばってしまっていたのに、ゆるいコースであればいくらでもついてくる。ただ、コースが難しくなるとEバイクならではの重さがかなりこたえるようで、また、バイクから押して進むとなるとアシスト無しで重量がダイレクトにかかるためしんどそうであった。このあたりは、大人でも事情は変わらない。海外メーカー製のEバイクは”ウォークモード”という極低速で自走する機能が使えるのだが、日本は法令の関係で解禁されておらず、普通のMTBより重いMTBを自力で押しあげなくてはいけないのだ。

画像: とはいっても重いよね笑

とはいっても重いよね笑

長男いわく「いつも押していた上りをずっと漕いでいけるし、全然足が疲れない。お父さんにスイスイついていけるから楽しいし、自転車ってこういうものなんだって思った。今まで山はずっと押してたから、河川敷とかの平らな道を漕いでるのが好きだったけど、Eバイクなら山でもいいね」とのことである。この日は、4時間くらい山の中を探索しながら汗をかいて、一緒におにぎりを食べた。親子でする「二輪体験」としては、これまでの中でも屈指の良い思い出となったと思う。問題は次男のためのマシンをどうするかだが……。

画像1: Eバイクが解決策になる

余談だが、先日ヤマハのモトクロスライダー、ジェイ・ウィルソン選手のインタビューに行った際、トレーニングについて質問してみたところ、ひとしきりアスリート的なルーチンを教えてくれたあとに「2024年はたくさんトレーニングしましたが、精神的に疲れ果てていました。オフシーズンに精神的に自分をケアすることが大切なんです。バイクから離れて時間を過ごしています。休暇を取って、バイク以外の活動をして、自分自身を充電します。たとえば、マウンテンバイクに乗ったり、ハイキングに行ったり。楽しいですよ。必ずしも私のトレーニングプログラムに含まれているわけではありませんが、私が楽しんでやっていることです。妻や娘と一緒に、アクティブに過ごしています。そういうのが大事なんです」と答えてくれた。僕はアスリートでは無いけれど、この言葉が深く沁みている。誰にとっても、こういう時間が大事なんだなと。今回の記事はあくまでも個人的な一例ではあるが、もしも子どもたちとバイクに乗る上で難しさを感じている方がいたなら、一度Eバイクでトレイルを走ってみることをすすめたい。

画像2: Eバイクが解決策になる

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