こんにちは、林道ママこと松下時子です。電動オフロードバイク「CAOFEN F80 STREETロングレンジ」とオグショートランポで遊ぶ林道ツーリング『ミライ・リンドウ』、第6回目は、広島県北部に位置する三次盆地から、島根県の飯南町にある来島ダム湖を望む林道を走って来ました!
江戸時代に整備された石見銀山街道をたどり、大国主命ゆかりの地へ向かう
今回は「ミライ・リンドウvol.03」の取材で爽やか林道を教えていただいた、永田さんの先導で林道に向かいます! いやいや、山口県の林道は実際には爽やかではありませんでした(笑)。だって、爽やか林道だと信じて向かった時の衝撃たるや……藪コギが凄くて、もう、笑うしかありませんでした。詳しくは記事を読んでみてくださいね。さて、今回はどうなるでしょうか。
スタートは、道の駅ゆめランド布野。まずは、江戸時代に栄えた石見銀山街道を辿る、2本のダートを走ります。その前に……
そもそも石見銀山街道ってなあに?
石見銀山街道とは、石見銀山(現在の島根県大田市)で産出された銀や銀鉱石を陸路で港へ運ぶために利用されていた街道の通称で、銀の道とも呼ばれています。ルートはいくつかありますが、私たちが今回走るのは石見銀山から瀬戸内海へ抜ける尾道湾までのルート。総距離は約130㎞、道幅は約2.1mで、今回はその一部の区間を走ります。
それにしても、これだけの輸送路を江戸時代に完成させるなんて凄いですね。銀は幕末までの間、馬300頭と400人という大輸送隊が3泊4日の行程で運んでいたそうです。いかがでしょう。これから走る石見銀山街道のダート、ちょっとワクワクしてきませんか! ちなみに、石見銀山は2007年に世界遺産に登録された鉱山遺跡です。
道の駅をスタートすると上布野あたりに昔の面影を残した常夜燈が見えました。常夜燈とは街道沿いなどに設置されている灯のことで、名前の通り、常に夜道を照らしてくれます。ちゃんと保存されているんですね。いいね! 「石見銀山街道仏が峠線」に到着し、江戸時代の道は今どうなっているんだろう! とワクワク気分でダートへ。
そしたらこうですよ。しばらく走っても踏みしめられた路面が続き、多少のガレしかなくて……、これまでに沢山見てきたよくある道だったので、だいぶ笑いました。でも、歴史の道を走れたんです! それに、スマホアプリで高低差を見てみると3.2㎞で278m。その瞬間、重い荷物を運ぶ馬も人もよく頑張ったなって感動しました。
仏が峠から1.6㎞ほどで、害獣侵入防止の開閉式ゲートがあります。ここを抜け、2本目の「石見銀山街道仲郷線」へと繋ぎます。この道も走りやすく、サンサンと日差しが降り注ぐ明るい道でした。距離的には、2本のダートを合わせて5.6㎞なので、サクッと通り抜けることができます。
さて、このまま再び「石見銀山街道」と蛇行する国道57号を北上すると、17㎞ほどで3本目の「来島線」に辿り着きます。が、その前にちょっと寄り道をしました。
2本目のダートを抜けた北側には、登山愛好家に人気のある女亀山がそびえています。3本目の林道に行く前に、この女亀山の懐で少し遊びました。それが上の画像です。また、駐車場にカオフェンといた際には「春になるとギフチョウがいるよ……」と男性に教えてもらいました。もしかすると先に走った2本のダートでも姿を見れるかな? と思いましたが、いや、走行中は色の違いくらいしか分からないか(笑)
国道54号から国道184号に進路を変え、島根県飯南町に入りました。ここは出雲大社の大しめ縄を作る町としても知られているんですよ。また、東には琴引山がそびえています。この山、『出雲国風土記』では天の下造らしし大神(大国主神)の御琴が存在すると伝えられています。さらに、山腹に住んでいたという大国主命(おおくにぬしのみこと)、そして伊邪那美命(いざなみのみこと)が祀られているという琴引山神社もあり、神話や伝承の世界が生き続ける、ロマンに溢れたエリアなんです。
琴引山の北西、来鳥湖の西側にある「来島線」にやって来ると、前半は藪もあり結構なガタガタ道。やっぱり藪なのね(笑)
ダートがスタートして3.2㎞後に右折し、この辺りからフラットな路面になります。そして、山並みや来島湖もお出迎え! ダート5.5㎞は路面も変化に富んで、楽しめた林道でした。
今回は走る以上に、歴史やロマンに彩られた楽しい林道ツーリングでした。こうゆうのも、たまにはいいでしょ。ふふっ♪