エルズベルグの予選は、2日目で覆すことは困難である……が
最高速は140km/hを超えるとも言われる超ハイスピードな予選「アイアンロード」。この予選を楽しみに来ている人も多く、決勝の「レッドブルへアスクアンブル」につぐエルズベルグロデオの見所なのだが、なにぶん今年で1200台ものエントリーがあるから1日目が終わったタイミングでコースは大荒れの状態になる。そのため、アイアンロードの2日目はほとんどタイムを狙える状況にない。
石戸谷蓮は、この2日目も日本人のなかで最も早いタイミングでコースイン。「バチクソ荒れてますね……」とゴール後に一言。やはり、タイムを短縮するようなフィーリングはない。だが、1日目に転倒してしまった藤原慎也は「荒れている路面を避けて、ラインを外しながら走ってきました。ミスも無かったし、スムーズに走れましたよ。これは昨日よりタイムが出ているはず!」と興奮気味にコメント。鈴木健二は「やっぱり難しいですね。ラインは一本しかないんですが、立ち上がりや進入でそのラインを外しながら走ることで荒れに対応しました。でも、ライン外には砂利も多くて速度が乗りづらい」と苦戦。
この2日目の予選結果で、鈴木の前には2名割って入り101位に。石戸谷の前に5人入って145位に。そして藤原は2秒短縮したことで7名を抜いて303位にジャンプアップした。この結果を受けて鈴木・石戸谷は決勝スタート3列目、藤原は6列目に決定。なお予選のトップはアメリカGNCCのマルチタイムチャンピオンであるカイルブ・ラッセルが圧勝している。
史上稀に見る大混乱。今年のエルズベルグロデオはまだわからない
1ヶ月ほど前に主催から突如発表されたノーヘルプルール、そしてガソリン給油所廃止ルールが、いまここにきて混乱を巻き起こしている。
まず今年から観客の助けを借りられないノーヘルプルールであるにも関わらず、さらにコースの難易度が悪化。決勝コースを下見しているライダーの言では、ウッズ区間が今までとはまったく違う難しさに変更されているとのこと。特にキャンバーの角度や設定がテクニカルで、タイヤを思い切り低圧にするなどの対策をとる者も増えている。これにあわせて、石戸谷は柔らかいムースにさらにホールソーで穴をあけることで0.2気圧相当の柔らかさにセットアップした。藤原はムースには手を加えずにタイヤに穴をあけることで対応している。鈴木は今回のレースで異色のサンドタイヤを履くため、特にタイヤには追加セットアップをせずに挑むことに。
二つ目のガソリン給油所廃止ルールはライダーからのクレームも多く、FIMから主催側に対して撤回の要請が出ているという情報を得た。この件に関して主催側はノーコメントだが、決勝日午前10:00になんらかの発表があるとのこと。
名所であるカールズダイナーの岩場は健在だが、主催側の発表ではエルズベルグ鉱山全体の岩が少なくなっており難易度に変化があるとの報。難易度の情報が交錯しており、エルズベルグロデオならではの渋滞が今年も起きるのか、はたまた無くなるのか……日本人3名はスタート順で不利になってしまったものの、まだまだ今年のエルズベルグロデオはどうなるのかわからない。