進化を続けているが、結果は伸びず。かみ合わなかったSXシーズン
デビューイヤーで全米ランキング3位、続く2年目には2位。モトクロスライダーなら誰もが憧れる名門「プロサーキットカワサキ」で、いまやエースライダー。下田丈にとって3年目のシーズンとなった2022年、当然狙うはチャンピオンの座であった。
だが、シーズン序盤は、下田にとってかみ合わないレースが続いた。開幕戦のメインイベントではクリスチャン・クレイグのヘッドフェイクに引っかかってしまって最後尾からの追い上げ。第3戦では、やはりクレイグとスタートで絡んで18番手スタート。第4戦は、ヴィンス・フリージーに巻き込まれてしまう。アンラッキーが続く状況に、毎戦インタビューで悔しさを吐露した。挙げ句の果てに第6戦アナハイム3でクラッシュしてしまい、足を骨折。シアトルからはじまる後半戦では、4-4-4-5位とまずまずの結果。最終的にはシーズンを4位で終えている。
順位 | 7 | 7 | 5 | 7 | 3 | NA | 4 | 4 | 4 | 5 |
Rd | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 12 | 14 | 16 | 17 |
会場 | Anaheim 1 | Oakland | San Diego | Anaheim 2 | Glendale | Anaheim3 | Seattle | Atlanta | Denver | Salt Lake City |
東西 | West | West | West | West | West | West | West | Showdown | West | Showdown |
下田はこのスーパークロスシーズンを「レースの結果として、今年はよかったなと思えるものはないんですけど、去年よりスタートも出れるようになっているし、スピードも去年と比べたら上がってます。ただ、これが結果に結びつかず、なかなかかみ合わないシーズンでした。調子は悪くないのに、結果がついてこなかったレースが多かったですね。
去年よりは絶対速くはなっているんですけど、トップ二人のクレイグとハンター・ローレンスがとにかくソリッドでした。毎レースでスタートをしっかり出て、速いペースで走られてしまう。去年はクレイグやハンターも、安定感に欠けていたんですけどね。ペース的にそこまで大きな差があるとは感じていません。その差は僅かだと思っています」と振り返る。
今季、そのクレイグとの差を感じていたのはフープスだ。「今年のクレイグは速いですね。タイムクオリファイからタイムが出ているし、特にフープスが速い。今年のスーパークロス、前半戦ではフープスが大きい傾向があって難易度が高く、差がつきやすかったです」とのこと。
スーパークロス3年目、シーズンランキング4位というこれまでで最も悪い結果に当然下田は満足していない。後半戦、リザルトはまとまっているが、アナハイム3での負傷が長引いていて、アトランタでも「足首の痛みが邪魔して、そこまで思い切って飛びきれなかった」というコメントを残している。いよいよ始まるアウトドアに向けて調整は進んでいるのだろうか。
プロモトクロスは、昨年の好調を引き継いでいきたい
「去年のプロモトクロスは、後半戦で結果がちゃんと残せていたので、その好調をそのまま次の開幕戦に持ち込みたいですね」。昨シーズンラスト3戦は、アイアンマンで2位、FOXレースウェイで4位、最終戦ハングタウンで再び2位と良い形でシーズンを終えている。不調のスーパークロスからしっかり気持ちを切りかえて、プロモトクロスへの準備を進めている。
具体的には、スーパークロスの後半戦から徐々にプロモトクロス向けの練習を取り入れているそうだ。「当初は450ccに乗って身体を慣らしておき、250ccへ乗り換えています。スーパークロスとは違って30分のヒートなんで、しっかり長時間走りきれるようなトレーニングに変えていますね」と話す。また「トレーニングを積んで、去年よりも2〜3kg体重が増えました。それに対応するために、サスペンションのセッティングを固めていく方向で調整しています。基本的には去年のセットアップをさらに煮詰めていく方針で進めています」とのこと。身体作りはアマチュア時代より、ヤニングコーチと取り組んできたもので今シーズンに関しては、心拍系のトレーニングを多く取り入れているというコメントもあった。
昨シーズンの開幕は、スタートダッシュが決まらず10位。シーズン序盤のもたつきがもったいないところ。今季は、この調子であればいいスタートが切れそうな気配だ。Off1.jpでは、今年も開幕戦や下田のトレーニング風景を現地レポートする予定。おたのしみに。