悔しさからの努力が実った、レディスクラス
小野彩葉、チームメイトの女王から逃げ切り、念願のキャリア初優勝
レディスクラスは、IA2クラスの後に行われたことで、コースはかなり荒れた状態。ジャンプ後やコーナーにできた深いわだちなど、フルサイズのマシンで作られたギャップをどう攻略するかが大きな鍵となった。
小野彩葉がホールショットを決めるとディフェンディングチャンピオン川井麻央が後方から迫り、序盤から抜きつ抜かれつのバトルを展開した。熱戦の中、コーナーで川井が転倒。小野がトップを先行し、続いて久保まな、楠本菜月。川井は8位から追い上げるかたちになった。
トップ3台は徐々に差が開き、それぞれ独走状態でフィニッシュ。川井は4位まで追い上げるもタイムアップ。去年勝てなかった悔しさをバネに努力を重ねた小野が、悲願の優勝を飾った。
レース後の取材では、久保は「下見の時に良いなと思うラインがいくつかあったのですが、ことごとく外れていました」と語り、楠本も「ペースがなかなか上がらなかった」と、荒れた路面がライダー達を苦戦させていたこと印象深い。
そんな難しいコンディションの中、トップの小野は「細かいワダチがたくさんありましたね。トップに立ってから、大きくアウトを走るようにライン取りを意識したことで疲れず、良い判断ができたのかなと思います」と冷静にライン取りをこなしていたという。的確な判断力が、トップ独走状態に持ちこんだ速さの鍵となっていた。
「去年勝てなかったのが悔しすぎて、今年のシーズンオフは今まで以上に真剣に練習に取り組み、それが結果に繋がったと思います。トレーニングもコーチに見てもらいながら行って、スピードも含め全体的に去年よりレベルアップできていると思います。今まで以上に筋力もつけた分、スピードや後半の体力にも繋がりました」と小野。
また、トップ3に加え注目したいのが、ジュニアクラスとレディースクラスにダブルエントリーをした瀬尾柚姫。初のダブルエントリーということだが、ジュニアクラスで3位を獲得。レディース決勝ではスタートを決め、1周目を2位で通過するなど、その存在感を示した。
「スタートは2番手で出ましたが、すぐに川井選手に抜かれてしまいました。その後、砂埃で前が見えない中開けていかなきゃと思って開けたら、気づいたらコースアウトしていました。なかなかペースが上がらなかったのですが、苦手のスタートが出れたので自信に繋がりました」と冷静に走りを分析していた瀬尾。次戦からの活躍も期待が高まる。