掘り起こされたコースに対し、予選から唯一サンド用のタイヤで挑んだのが能塚。ヒート1での転倒について「転倒はタイヤのせいではないです。土曜日からゲタ(サンド用タイヤ)で走っていたので、決勝も慣れたタイヤでという判断をしたのですが、ちゃんとコースを見て考えるべきでしたね。前に進む推進力は感じられたんですけど、斜めに入ると滑っちゃうこともあるので、コーナーの立ち上がりとかは扱いづらさがあったりしました。スピードは出たので、自分がミスなく行ければよかった」と、タイヤと自身のライディングを振り返った。ヒート2では、ミディアムソフトへチェンジ。
ヒート2では、IA1ルーキー内田篤基がホールショットを決め、星野優位、富田、小方と続いた。散水後で滑りやすい路面の中、内田はスピードを上げ後方との差を広げる展開に。しかし5周目、距離を詰めてきた富田と能塚が内田をパス。6周目には内田がクラッシュしそのままリタイヤとなった。
トップ争いは激しく、富田が能塚と覇権を争う形に。後方ではスタートに出遅れた大倉が順位を上げ小方と3位争いを展開し、富田、能塚、小方の順位でゴール。富田俊樹は、自身初のIA1におけるパーフェクトウィンを達成。
富田俊樹は「一安心です。開幕はいつも身体が固くなるんですけど、今回はリラックスしていけました。レースの展開としては、序盤は(内田)篤基や能塚が速くて揺さぶられたのですが、冷静にいけました。大城も速くて、下からの突き上げがあって気を抜けないなと思います」とルーキー達からプレッシャーを感じつつ、落ち着いてた走りで確立した強さを感じさせた。
また、毎レース後、IA2に参戦しているジェイ・ウィルソンと情報を交換している場面も印象的であった。「(コース状況など)全部教えてくれますね。助かった面もあり、良い環境にいると感じます」とのこと。前述したとおり、ウィルソンはIA2での勝利を目指すというよりも育成のためにやってきていることもあって、富田・渡辺の大きな力になることは間違いが無い。
IA1初レースで3位表彰台を獲得した大城は「今日の順位には満足していないですが、スタートで前に出れたのは良かったです。もちろん負けるつもりでレースはしていませんが、少しでも並んでいけたのは全て勉強になりました。250と450のマシンの違いについては、思ったより差がありますね。ただ、僕のライディングスタイルにとっては450のパワーがありがたいです」とコメント。今シーズンのチャンピオン争いに入り込んでくる勢いに今後も期待が高まる。