モトクロスで大きなケガをした馬場亮太
その素地には、名トレーナーの教えがあった

馬場兄弟ーーすでにJNCCでチャンピオンになった馬場大貴、そしてその弟である馬場亮太ーーは、二世ライダーだ。父は、故馬場善人。80〜90年代を駆け抜けたトップモトクロスライダーであり、00年代にはスズキファクトリーの名監督として名を馳せたほど。父がはじめたサスペンションチューニングショップ、ババナショックスは、いま大貴と亮太に受け継がれ、さらにそのノウハウやテリトリーを拡大している。とかく、言うなればモトクロスエリートである。

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「僕は、IA2の時代に大けがをしてしまって、結果を残せずやめてしまっているんですよ」と亮太は言う。「その前の年に、下田丈のトレーナーをしているヤニングに師事しました。ヤニングに教わったのは、タイヤを止めるなということ。スムーズなコーナリングをしなさい、ということでした。ヤニングのトレーニングは、タイム計測をかなり頻繁にしていたから、僕にとってオンタイムエンデューロのような走り方は経験済みだったのかもしれません」と馬場。ヤニング氏だけでなく、アメリカのAMAライダーをはじめとするトップ連中は、きれいなグレンヘレンやパラのようなコースだけで無く、荒野にできた野良コースなどでも練習をする。野良コースは、まるで欧州のエンデューロにつかわれるテストのようなのだ。自然に出来たギャップ、そしてウマイライダーが作る深いワダチが、放置されている。

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偶然かもしれないが、ヤニング氏はISDEに参戦したこともあるライダーである。本人は「レースの経験を増やすために出たんだ。丈も、機会があったらでたほうがいい」とちょっとしたびっくり発言をしていたけれど、故郷のフランスに帰るとクラシックなエンデューロイベントに参加したりもしている。

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ともかく、馬場亮太には、そのような下地が実はある。「レースに出ることはやめていたんですが、いま兄とやっているチームで町田旺郷をみているんです。そうすると、僕も乗りながら教えたりするんですよね。その教えている内容が、まさにヤニングに教わったことだったりしてて。それまで全然成績だせなかったんですが、10番以内をとれるようになってきたんです。それもあって、大貴がJNCC出るなら俺はJECかなって思って出始めたんですよ」と。元々、スピードがあるライダーではある。が、もしかすると知らないうちにエンデューロの素質を持っていたのかもしれない。

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