なお、EnduroGPでBETAファクトリーチームに所属するS・ホルコムのマシンに使われているサスペンションはこのSACHS製ですが、クローズドカートリッジ仕様のファクトリーサスをシムスタッキングしたもの。(2019年当時)
そんなRRのSACHSサスを生まれ変わらせることに成功したのは、モトクロス、エンデューロ、モタードなど幅広くレース活動を支援する、テクニクスです!
Technix
RR2T/4T用バルブキット
¥85,800(税込)/組み込み工賃込み
テクニクスではこのRR2T/4TのSACHS製フロントフォークで理想とする動きを実現するために、ピストン、ピストンホルダー、リバウンドニードルといった多くのパーツを新作。
テクニクスの開発担当者にお話を伺うと…
「RRシリーズのSACHSサスペンションは、オープンカートリッジ式の簡素化されたもので、片側にコンプレッション、片側にリバウンドと左右のフォークで別々の機構を受け持つというもの。このため、細かなギャップから大きなジャンプまで幅広い対応が求められるオフロードコースの走行では、減衰力不足により踏ん張りが効かず、暴れてしまうことがあります。
リバルビングすればピンポイントの改善は望めるかも知れませんが、ストローク全域での改善となるとシステム上の限界があると判断しましたので、既存のシステムを生かしながら不足している要素を付け足すというイメージで開発を行いました。
まず、左右のフロントフォークそれぞれにコンプレッションバルブとリバウンドバルブを装備させました。これにより、スタンダードと同じ仕事を、半分の力で行うことができ、ダンピングに余裕が生まれます。さらに各アジャスト機構も左右両方に設けました。これでようやくレーシングサスペンションとしてのスタート地点に立った、と考えています」