スタンディング不要!?
誰でも乗れる・楽しめる
初めてスノーバイクに乗る人にはスノーバイクに慣れるために用意された広場で練習するところからツアーが始まります。この「北海道スノーバイクエクスペリエンス」では留寿都村と協力することで限られた範囲の公道走行が許されており、参加者のスキルがあって天候が良ければ山を繋いで50km以上もの雪山ツーリングが堪能できてしまうんです。
スノーバイクはフロントブレーキがないため、右手のブレーキレバーはリアブレーキに繋がっています。では右足のブレーキペダルは、というと、撤去されています。オフロードブーツやスノーブーツに慣れておらず、ブレーキがうまく踏めない人でもすぐに乗ることができてしまうんです。さらにコースがしっかり決まっているわけでもないし車重も重いため、よっぽどギリギリを攻めない限りはエンジンブレーキだけでも十分に減速してくれます。
ちょっと林道を走るとこんな絶景がお出迎え。まだ誰も走っていない雪原を自由に走り回ることができます。
ツアーガイドの源治篤さん(モトクロス国際A級)のお手本。車体がモトクロッサーだからついついスタンディングしなきゃいけない気持ちになるのですが、雪の上はギャップがないので、シッティングで乗るものらしいです。曰く「スタンディングしても何も得しない」とのこと。さらにコーナーで足を出すと深い雪に足が取られて危険なため、足もステップの上に固定を推奨。
こんな絶景の中を、いざ、試乗!
頭ではわかっていても、ついついスタンディングしちゃいます。低いギアだと雪を掻いて埋まってしまうことがあるらしく、スタートから2速を入れてある程度アクセルを開けて、高回転で半クラッチスタート。すぐにスピードが乗ってくるので3速、4速とシフトアップ。
一般的なオフロードバイクの乗り方とはちょっと違くて、リーンウィズかリーンインでバイクと一緒に体も倒し込んでいくイメージ。ステップ荷重のバランスがかなり大事。コーナーでは速度を落とさずにアクセルを開けて倒し込んでいくと、スムーズに曲がってくれます。
乗ってみてわかったのですが、これ実は僕が今Off1で連載している釘村忠選手のライテクに通じるところがかなりあって、土の上だとなかなかコーナーでアクセルが開けられないのですが、どこを走っても許されて、タイヤが滑らない雪の上では無限にアクセルが開けられます。
土の上でこれがやりたいんだよー!!!
という感じで実に爽快でした。
何よりも、まだ誰も走っていない真っ白で真っ平らな新雪の上を、縦横無尽に走れる喜び。これは夢中になるなという方が無理…。
つまり、モトクロスやエンデューロなどを経験しているライダーじゃなくても、普通のツーリングライダーでもすぐに慣れて楽しく走れるという点で、アクティビティとしての完成度の高さは素晴らしいものがありました。
万が一転んでしまっても雪の上だから痛くありませんし、バイクも壊れません。重いので起こす時は2人以上を推奨ですが、そこはガイドさんたちがしっかりフォローしてくれますよ。
ツアーの途中で立ち寄ったここ。実はJECルスツでパドック本部になっていたコンテナ。すっかり雪に埋まってしまっていたのを、スタッフさんと一緒に雪かきして掘り起こしました(通常のツアー参加者は雪かきする必要はありません)。