シートは、音叉マークのキャップをハズしたところのボルトで止まっているのだが、これも吸気通路確保のための施策なのだという。非常に細かい設計の妙が、新世代の吸気経路を生み出したことをおわかりいただけるだろうか。
優れたインターフェイスに、最適な重心の位置
吸気経路についても触れたところだが、22YZはフレームこそ継続ではあるものの、大きく外装が変更された。サブフレームが変更されたことにより、お色直しではなく機能的な部分もふくめたアップデートである。
「YZの車体は、旧来であればタンクの上あたりに大きな質量を感じるような、重心の高さがありました。新型は、そういうフィーリングがなく、コーナーを入っていく時にちょうどいい場所に軸を感じますね。座っている位置は変わらないのですが。軽さは感じませんが、取り回しは自分の意のままになるとも思いましたね」と辻は車体について話す。
「車高は、少し高めに感じました。タンクの後ろ側が少し高めというか、フラットになった感触もあります。重心のフィーリングは、この辺の差異にもよるのかもしれません。
アクセルを戻してブレーキングをして入っていくときに、サスがしっかり動いてくれて、足を離せるタイミングがだいぶ早いです。車体の傾きを感じやすいというか、フロントのしっかり感によるものではないかと思います」とのこと。