ビッグアドベンチャーは取り回しがキモ
午前中には講師ごとに班に別れてスクールが開催された。路面コンディションもあまりよくなく、使えるエリアが限定されたこともあって、和泉が選んだスクール内容は「取り回し」。バイクに乗らず、押してスラロームを抜ける練習だ。
「すごく地味だけど、実際に林道などから安全に帰ってくるためには、とても重要なテクニックです」と和泉。
腰でマシンを支えられる左ターンはまだしも、右ターンでは多くのライダーが苦戦。和泉にアドバイスを求めていた。狭いスペースをたった2〜3周するだけで腕がパンパンになり、マシンを支えきれなくなってしまう参加者も。
ここで和泉が披露したのはバイク屋さんならではとも言える面白テクニック。マシンを立ててさえいれば、腕に力はほとんどいらないのだ、ということがわかる。
次のテーマはバイクを降りてのアクセルターン。リアタイヤを滑らせて少ないスペースで曲がるこのテクニックは、道幅の狭い林道でUターンする時などに非常に便利だ。参加者の多くが「やりたいけどできない」テクニックだったようだ。
和泉が座学でコツを教え、実践して見せると、参加者もトライ。大きなバイクで初めてリアタイヤを滑らせる感覚に驚きつつも楽しんでいた。
転びそうになってもすぐに支えてくれるので安心して練習できる。これもスクールの良いところだ。
最後に和泉は参加者のリクエストに応え丸太超えを披露。さらに午後にはコンディションが回復したモトクロスコースが解禁され、講師らの先導車つきで希望者がコースイン。
主催の鈴木大五郎はじめ、名だたるライダーたちに支えられ、成田のダイナミックなモトクロスコースを走るテネレやアフリカツイン、GS、KTMアドベンチャーたち。
エンデューロコースは午前中からフリーライドで使われていたが、午後にはパンアメリカの試乗体験も始まり、多くのライダーがそのパフォーマンスの高さを実感していた。試乗車にはナンバーもついているので、公道での試乗も体感できた。
「タンクが大きくて見た目もあまりオフロードっぽくないので『乗れるのかな?』と思いながらエンデューロコースに入ったんですけど、全然いけますね。すごく楽しかったです。エンジンが1250ccなのでもっとパワーがドカンと出るのかなぁと思ったんですけど、オフロードモードなら全然マイルドだったので扱いやすかったです」と試乗の感想をくれたのはYouTubeでBANZAIりょ〜ちゃんねるを展開するBANZAIさん。