ライダーを翻弄させた新レイアウト、対応力が勝敗を決める鍵に。2021年全日本モトクロス第4戦SUGO

1ヒートにかける勝利への想い

去年の開幕戦から連勝記録を伸ばし続ける川井麻央は、レディースクラスで圧倒的な存在感を示している。今回、川井は予選2位通過。1位で通過できなかった悔しさをバネに、決勝ではスタートから上位につけ、1周目で1位に浮上。その勢いのまま連勝記録を伸ばし、勝利へのこだわりを示した。

川井麻央
「久々の予選2位でめっちゃ悔しくて。決勝ではスタートがいつも出れないんですけど、今日は出れたことで気持ちも乗って、15分しっかり自分のペースで走ることができました。まだここから連勝記録を伸ばすので応援よろしくお願いします」

一方、川井の連勝を止められないことに悔しさを滲ませていたのが、今大会2位の本田七海である。

好調なスタートでトップに出た本田は、1周目で川井にパスされたものの、その後も川井に離されることなく、連勝記録阻止の展開が期待された。しかし、バックマーカーが出てきた後半、本田のペースは乱れ、最終周で転倒し、2位という結果に終わった。表彰台に上った本田は悔しそうな表情を見せ、「前半は川井選手についていけていたので、いつになくチャンスがあるなと思っていたんですけど、バックマーカーが出始めてから自分のペースが掴めなくなって、最後の周では転倒してしまいました。次は地元名阪で開催されるので、次戦までのインターバルでしっかり乗り込んで、連勝を止められるように頑張ります。」と優勝に向けてさらに闘志を燃やしていた。

コースの変化への対応力が求められたIB決勝

数少ないIA昇格の枠を手に入れるため、経験と実力を積み重ねるライダー達の熱いバトルを見られるのがIBクラスである。唯一土日両日をまたいで行われるIBの決勝では、その特徴から、土曜日はショートカットコース、日曜日は全てのコースを使うというコースレイアウトの変更の影響もあり、表彰台の顔ぶれにも変化が目立った。

ヒート1では鈴木龍星、町田勘太、山田康介が表彰台に上がり、ヒート2では鈴木、大塚貴斗、村野晟弥という順位になった。ヒートによって結果に大きな差があったIBライダーの中で、両ヒートとも1位を獲得した鈴木がコースに対する柔軟な対応力を見せた。

次戦は9月11・12日に名阪スポーツランドで開催される予定である。3ヶ月のインターバルの中でライダー達がどのように成長してくるのか、次戦のレース展開も楽しみにしていたい。