長い前置きはさておき、つまりはこういうことだ。このたび現れたCRF250Lは、形状こそ旧モデルを踏襲しているが、まったくの別物。横剛性を25%落とし、オフロード性能を追求した。さらには、フレーム単体で2kgもの軽量化を達成しているのであった。まだ誰も走ったことが無いCRF250Lだけど、いわばこれは次世代のホンダの鉄フレームと表現しても良いのかもしれない。
全体を俯瞰すると、いかに旧モデルから余分な贅肉を落としているかがわかる。緑の部分がそれだが、もっとも気になるのはアンダーチューブの部分だ。
鉄フレームのダブルクレードルとしては、めずらしいタイプの二股。実は、ダウンチューブは逆Uの字型をしており、これに上から垂れ下がってきたアンダーパイプがモナカのように溶接されているのだという。
鉄フレームCRの時代から、ホンダはモナカ方式でピボットフレームを作ってきたが、前CRF250Lも、新CRF250Lも同じ。モナカであれば、表と裏の素材を変えたりと、様々な剛性バランスにたいしてのアプローチが可能なのだという。
ロードバイクとして非常にレベルが高い位置にあったCRF250Lの旧型は、高速での安定性を求めてか、車体はしなやかとは言いがたかった。この新CRFは、いかにも「土の上での曲がりやすさ」や「ギャップにおけるフレームのいなし」やら、車体としての良さを期待してしまうものだ。エンジンは二の次である。オフロードは、車体が命だ。