全日本規模のエンデューロレースで、コロナの影響を一番色濃く受けたのはG-NETではないだろうか。もともと全5戦の予定だったものの、第2戦HINO HARD ENDURO春の陣、第3戦HIDAKA ROCKS EXTREME ENDUROが立て続けに中止に追いやられ、10月18日にブラックバレー広島で開催された大会が、約半年ぶりの開催となる第2戦になった。さらに特殊な広島ルールにより、今年のランキングを大きく左右するレースとなった。
広島にはもう一つ特殊なルールがある。それは、優勝したライダーの周回数の7割以上周回できていないライダーは完走にならない、というもの。今回もこのルールのおかげで大波乱が巻き起こった。
優勝した山本は7周。つまり5周以上回っていないと完走ではなく、つまりG-NETもノーポイントになってしまうのだ。5周できたのは上位4名の他には石井貴行、原真也、原田皓太、佐々木文豊の8名のみ。
そうなのだ。G-NET黒ゼッケンの上福浦明男や泉谷之則、大西実、中野誠也らが全3戦しかないシーズンに、ノーポイントとなってしまったのだ。これにより、第2戦終了時点でのランキングは以下のようになった。
1 | 鈴木 健二 | 20 | 22 | 42 | |
2 | 山本 礼人 | 16 | 25 | 41 | |
3 | 水上 泰佑 | 22 | 18 | 40 | |
4 | 原 真也 | 12 | 15 | 27 | |
5 | 高橋 博 | 25 | 25 | ||
6 | 原田 皓太 | 10 | 14 | 24 | |
7 | 石井貴行 | 7 | 16 | 23 | |
8 | 佐々木文豊 | 8 | 13 | 21 | |
9 | 永原 達也 | 20 | 20 | ||
10 | 大西 実 | 18 | 18 | ||
11 | 木村 吏 | 15 | 15 | ||
12 | 浦野 誠二 | 14 | 14 | ||
13 | 和泉 拓 | 13 | 13 | ||
14 | 中野 誠也 | 11 | 11 | ||
15 | 大宮 康司 | 9 | 9 | ||
16 | 依田 拓也 | 6 | 6 | ||
17 | 岡田 晃成 | 5 | 5 | ||
18 | 北林 邦友 | 4 | 4 | ||
19 | 井村 哲久 | 3 | 3 | ||
20 | 五島 健太 | 2 | 2 | ||
21 | 山中 和之 | 1 | 1 |
最終戦にもよるが、今年とは大きく黒ゼッケンの顔ぶれが入れ替わる可能性が、大きい。
5位に入ったのは群馬から参戦した石井貴行。日野ハードエンデューロのスタッフとしても活動するグンマーズの一員だ。
6位に入った原真也はロッシがともに練習し、鍛えているライダーとして名前をよく挙げている一人。ついに上位に食い込んできた。
地元、岡山の原田皓太が7位に入った。2018年に山本とともにSea To Skyに参戦したメンバーの一人。
8位は佐々木文豊。佐々木も原田と同じでSea To Sky参戦メンバーの一人で、個人的には来年の黒ゼッケン最有力候補として注目している。というか、昨年も開幕のCGC奈良トラでスタッフをしていなければ、今年は黒ゼッケンだったはずの実力者なのだ。
一時は鈴木健二を後ろから煽るシーンも見られた木村つかさ。3周回ったが、4周目でエンジンが焼きつき、無念のレースアウト。