iPhoneは、発売当初新しかったか。様々なところで言われている話だが、実際にはスマートフォンそのもの自体iPhoneよりも先んじた製品が多かったし、その昔はPDAたるプロダクトも存在した。それでもiPhoneが、スマートフォンのなかでもイノベーティブだと言われ続け、故ジョブズは神格化されている。ものごとのスマート化、つまりは真の情報化は、仕組みをつくればマーケットで受け入れられるのではない。情報をいかに整理・編集し、大勢に理解できるアプローチで動的なプロダクトに結びつけるか。iPhoneでいうなら、ヌルヌル動く使い勝手や、育ててきたiTunesなどがそれにあたるんだろう。モトクロッサーは、スマート化できているだろうか? その答えは、欧州で発表された21モデルのSXシリーズにあるような気がする。
単純明快。バイクに乗っているライダーなら、共通言語として理解できる項目をスライダーで変更する。スロットルレスポンスを鈍らせる、鋭くする。トラクションコントロールを調整する。これが感覚的に調整可能だ。
イージーな「プライムモード」なら、土質と、コンディションを選び…
トラクションコントロールを調整するだけで、ざっくりセッティングが出る。
アドバンスモードなら、エンジンブレーキ、スロットルレスポンス、トラクションコントロール、ローンチコントロールをスライダーだけで直感的にコントロールできる。エンジンマップをいじる必要はない。そりゃ、当然きめ細やかにセットアップしていくには、格子状の3Dマップを調整する必要があるだろう。でも、サンデーライダーのツールとしてのモトクロッサーに、それが必要だろうか。
動画を見る限り、UIは非常に優秀だった。ある意味、とてもキレイにさっぱりとしている。細かいことは切り捨てて、ユーザーが迷わないように設計している。説明書を見る必要はないだろう。