実際の所、各メーカーの2020年モデルは、2010年モデルと比べると圧倒的にイージーになっている。数ヶ月前、2016年のモトクロッサーと、2020年のモトクロッサーを乗り比べてみても、その差は歴然だった。不思議なものだ。サスペンションは、クローズドカートリッジから構造を大きく変えていない(一時期、エアサスペンションにはなったけど)のに、ここまで差がつくのは、おそらくサスペンションという答えの出ないデバイスに対して、その哲学そのものが進化してきたからなのではないだろうか。たとえば、この10年でサスペンションは「フリクションを減らせば良いというものではない」という考え方にシフトしていて、いたずらにインナーチューブをコーティングしないようになってきた。また、サスを支えるブラケットの剛性も、ガチガチに固いものを使用するのはメインストリームから外れる行為になった。

画像4: そして、やっぱり「R」が欲しくなる…

話を戻そう。

サスペンションが、この20年進化してきた中、コストや車格に制限があるトレールバイクに採用されるサスペンションには限界がある。日本のトレールバイクは、現代ではそのすべてがダンパーロッド式だ。もちろん、これ自体は悪い評価をすべきものではない。ツーリングやストリートでの使い勝手、コストから勘案してベストチョイスだと評価できる。でも、殊ぼくらオフロードをこよなく愛する「特殊」なバイク乗りからすれば、ダート用のスペシャルなサスペンションがついたバイクに乗りたいのは当然のことだ。TRICは、カートリッジ式へのアップデートで、サスペンションの進化をトレールバイクにも与えてくれる。KLX230で、もっとスポーツにのめりこみたいあなたには、絶対に満足できるパーツだと、伝えておこう。

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