丸太などのセクションで「余裕が生まれる」
「セクションも、ウッズと同じでタイヤがしっかりつぶれてくれることがポイント。タイヤがつぶれてくれないモトクロスタイヤなどは、レスポンスがものすごくいいんですよ。何をしてもすぐに反応してくれる。だから、逆に言えばごまかしが効かないワケです。
E50エクストリームの「つぶれる」特性は、そのレスポンスをマイルドにしてくれて、余裕が生まれますね」と渡辺は言う。
丸太へ当たったときの様子をみれば、一目瞭然。ここまでしっかり潰れてくれるから、丸太の一瞬のタイミングでもグリップを逃さずに済む。もちろん、極低速でロックの映像のように登ることもできる。ライダーのテクニックに左右されない懐の深さがあるのだ。
渡辺学クラスが、E50エクストリームを
ハードパックのコーナリングで「使える」と言えるワケ
前述したとおり、昨今のハードエンデューロに求められるのは、スピードとテクニカルな路面への両立だ。渡辺はこの点について、思い切り大胆な仮説を持っている。「実は、E50エクストリームはモトクロスタイヤのハードタイヤのようなコンパウンドだから、ものすごくカチパン路面でグリップがいいんです。インベタで曲がりたい時などに使えるので、はっきりいってエンデューロのコーナリングでは武器になるほど」
スローでみてみても、タイヤのたわみは極端に少なく、しっかり路面を捉えている。渡辺学の、キレのいいコーナリングにすら、耐えてしまうレベルなのだ。
だから、高速ウッズなどにも相性がいいのだ。
「E50は、ISDEで6日間はきつづけたタイヤなのでよく特性を知っています。レンジがとても広く、一世代前のFIMエンデューロタイヤとは比較にならないほど、いいタイヤだと思います。でも、実はE50エクストリームはハード路面にも対応することから考えると、雨の日以外はE50を超えて万能なのかもしれない、と思わせてくれるほど。
フロントタイヤは、E50がベストマッチします。剛性感もよく、最近ではモトクロスライダーも履いていることがあるんですよ」と渡辺。