幸運にも、イン側グリッドへ
21番手のタイムゆえ、グリッドチョイスも21番目。特にアウト側は激しいぶつかり合いでコース外に弾き出される傾向にあるユナディラ。だが、下田は幸運にも残っていたイン側のグリッドに入ることができた。肩の痛みもうまく収まっていて、偶然が重なり好条件をつかむ下田。
スタートは、悪くなかった。中盤あたりの位置につけて2コーナーへつっこんでいく。同じウエアのチームメイト達が固まっていた。しかし、その直後にチームメイトのR・ハンプシャーと接触。下田は3コーナー目を折り返して集団で飛ぶコンビネーションジャンプの時点でほぼ最後尾へ。最悪の立ち上がりであった。
トップを引いたのは、予選でもずば抜けていたアダム・シアンサルーロ。これを、ディラン・フェランディスが執拗につけまわし、二人のデッドヒートが続く。加熱するトップ争いは、ぐいぐい3番手以降を引き離した。予選でも成績のよかったアムゾイルホンダのジェット・ローレンス、カーソンマムムフォードも好調だった。下田は、追い上げにかかるが、序盤のミスで失速。さらに転倒車を避けられずヘルメットバイザーを失うほどの転倒を喫し、7周目にレースを離脱した。
奇しくも、ジェットも同じようにバイザーを失う転倒で後方へ沈んでいく。カーソンは、後半にタレて急激にペースを落としつつも、16位を死守。ジェットは21位とホンダルーキー組にはきついモト1だった。1週間前のロレッタリンで最優秀の「ホライゾンアワード」に輝いたジャレク・スウォルはさらにタレが響いて22位の結果。レースはアダムが耐えて1位を守り抜いた。我らが下田は残念な結果だったが、トップ争いは大いに盛り上がったのだった。