トップを引けば、スピードが味方した。初のポディウムへ
続くヒート2。スタートの巧さが板に付いてきた石浦は、このヒートでホールショットを奪う。ヒート1の成績から考えても、「4〜5番手くらいででれればいいだろう、と思ってました」と石浦は言うが、はじめてIAの決勝でトップを引く重責へ。
「このまま行くと、ヒート1と同じにタレてしまうと思って、抑え気味に走っていたつもりで」という石浦の背後には、開幕をピンピンで飾った横山遙希がつけていたのだが、オープニングラップでだいぶリードを築いていた。
2周目で、この距離間。抑えめで走ったつもりが、背後にも迫ってこない。コーナーのすれ違いで、横山が背後にいることはわかっていた。3周目くらいまで、石浦は舞い上がってしまっていた。「すぐに抜かれちゃうんだろうな」と思っていた石浦だが、実際のところこの日のIA1と比べても遜色のないタイムで周回。横山も、石浦を簡単には抜けないスピードと判断してじっくりラインを見定めにかかった。この緩慢なレース展開が、石浦に余裕をもたらしていく。「このまま、行けたらいいな」と思った。レースが動いたのは、実に11周目だ。数少ないパッシングポイントで横山が石浦に仕掛けていく。
得意のジャンプで襲いかかる横山を、石浦はこの周回はかわし切るものの、12周目にトップを譲る結果に。「レース中盤くらいから、ここで転倒はできない…なんとしても結果につなげたい」とはじめて1番手を走る石浦の頭によぎった。ペースダウン、まずは表彰台を確実に獲りたいと思った。ラストラップ、内田篤基にパスを許し、3位。初の表彰台を得た。