大電流を受けて発熱、モーターは水冷式
黒いボックスがバッテリー、銀色がモーターだとのこと。大電流を受けて、モーターが発熱してしまうため、水冷している。
CRF250Rと比べておおよそ半分くらいのラジエター。1.1気圧のラジエターキャップが装着済み。エンジンに比べると、水冷の管理はそこまで難しいモノではなさそうだ。
赤いカバーは、ギヤボックスのカバーである。モーターの動力を減速させてドライブへ出力している。ゼロ回転から最大トルクを発揮できることが、電動の利点。「低回転からトルクが豊であること、クラッチやシフトがないことでコーナリングに集中できると、テストでは言われています。今後、開発が進めばどんなデバイスが必要か、どうすべきか、などが見えてくるはず」とは三ツ川研究員の談だ。
当然、スロットルは電動スロットル。
クラッチは無い。左側のスイッチボックスは、モードセレクターか。
美しいブルーのラインは、PCXエレクトリックらと同様に、環境への対応をうたうイメージを持たせるためのもの。きれいな仕上がりは、名門NOGUCHIシートの手によるモノだ。
SHINDENの2018モデルは、最高出力163.2ps。370V以上の電圧を出力するバッテリーが積載されているという。約半分ほどのサイズに見えるこのモーターは、おそらくとてもパワフルなのだろうが、ドライバビリティその他はどう進化していくのか。
現在、電動オフロードバイクとして世の中に姿を現したバイクは少なくない。KTMは市販にこぎ着けており、ALTAはプロジェクトを終わらせてしまったが、スウェーデンのCAKE(MTB界隈では著名なヘルメットブランドpocの新事業)によるKALKも注目を集めている。Hondaが取り組むこのCRFの電動化は、我々にとって環境問題や騒音問題に対するファイナルアンサーとなることはまちがいないし、オフロードモータースポーツが、まったく別の次元へ突入する可能性さえ秘めている(電動モトクロッサーなら、都市型のスポーツにだってなりえる!)。今後も期待をもって、見守りたい。