今季全7大会でチャンピオンシップを競ったENDURO GP(FIMエンデューロ世界選手権)が、9月27-28-29日のフランスGPで全日程を終了した。FIMエンデューロ世界選手権は、1990年に、それまでの欧州選手権から格上げされたもので、最近人気のハードエンデューロとは違い、スペシャルテストと呼ばれるタイムトライアル区間でのスプリント的なタイムを競うもの。1周50~60kmぐらいのルートの中に、スペシャルテストが5~6カ所設定され、それを1日に3周するというのが標準的なフォーマット。スペシャルテストの合計タイムは1時間から1.5時間程度になる。すべてがフルアタックの繰り返しなので、レースはタフなものだ。
ENDURO GPのクラス区分おさらい
E1クラス 2T250cc/4T250cc
E2クラス 4t450cc
E3クラス 2T300cc/4T500cc
GPクラス E1.E2.E3の総合
EJクラス 23歳以下
ユース125クラス 21歳以下 2T125cc
E1.E2.E3に参加しているライダーは、GPクラスにも自動的に登録され、オーバーオール成績を競っていることになる。
長く苦しい戦いの後
2017、2018年にオーバーオールカテゴリーのGPクラスでタイトルを獲得したスティーブ・ホルコム(Betaファクトリーチーム)は、シーズン中盤、感染性の疾患で、走るのがやっとという状態が続く苦難のシーズンだった。この初日に、なんとかE3クラスのタイトルを決定。表彰式後のインタビューでは涙を隠せなかった。
最終日までもつれ込んだタイトル争い
23歳以下のジュニアクラスは、tmレーシングのアンドレア・ヴェローナ(イタリア)が6月の第5戦イタリアGPですでにタイトル確定。E1クラスは、第6戦チェコでブラッド・フリーマンがタイトルを決定したが、E2クラスと、GPクラスは最終日まで決着がつかなかった。結果、E2はtmレーシングのロイック・ラリュー(フランス)、最高峰のGPクラスはBetaサポートチームのブラッド・フリーマン(イギリス)が初タイトルとなった。
日本代表と英国代表
今年のISDEには、日本から釘村忠、前橋孝洋、渡辺学、馬場大貴が代表チームとして出場するが、イギリス代表は、いずれもこのENDURO GPのトップライダーであるスティーブ・ホルコム、ブラッド・フリーマン、ダニー・マッカニー、ジョー・ウートンという顔ぶれ。マッカニー、ウートンもボディウムの常連。どんなスピードで走るライダーたちなのか、これらの動画でぜひチェックしてほしい。