レースを主催したのは東北地方を中心にツーリングのアテンドやイベント運営を手がけるMotoradaの大和芳隆氏。自身もエンデューロIBライセンスをもつライダーであり、ハードエンデューロやトライアル練習の経験から白井の地形を生かした今大会の発想を得たと言います。
PHOTO by FUNAI RACING
まるでトライアル! 減点方式のセクショントライ
大会は大きく午前と午後で分かれており、午前中は減点方式のセクショントライ。「ヒルクライム」と「ロックセクション」が合計8つ用意され、そこを走破する競技となっています。
ヒルクライムセクション
ヒルクライムはスタート地点が2つに分かれており「チャレンジライン」と「ノーマルライン」があります。「チャレンジライン」からスタートして、ゴールマーカーまで登り切ると0点。トライアルで言うところの「クリーン」。トライアルと違って地面に足をつくのはOK。ただし、エンスト、後退、コースアウト、テープカット、転倒などはNG。減点5となります。
チャレンジラインにはステアが設置されていたり、助走が短く設定されていたり。ノーマルラインからのスタートでクリアすれば減点2。失敗すればもちろん減点5。
ロックセクション
「ロックセクション」は決められたコースを1分以内に通過すればクリア。コースの途中にチャレンジマーカーが設置されており、その間を通過してクリアすれば「クリーン」で0点。チャレンジマーカーを避けてクリアしたら減点3。
「ヒルクライム」と違い、途中で転倒してもエンストしてもバイクを降りて押してもOK。とにかく1分以内にゴール地点を通過すればクリアです。コースアウト、テープカット、または1分以内にゴールに辿り着けなかったらタイムアウト、つまり減点5となってしまいます。
なんと、8×2の16セクションすべてをチャレンジラインでクリアし、オールクリーンを叩き出した関澤大地選手。
午後は5台で競うエクストリームクロス!
午前中に行われたセクショントライの点数別に5台づつ組分けされて、午後はエクストリームクロスです。一周約3〜5分の周回コースを3周してそのタイムを競います。
このレースは走っている5人以外は全員が観客。つまり、大勢の歓声の中、思いっきり走ることができるんです。これが最高に気持ちいい。エンデューロとはいえスピードレースなので、モトクロス経験のないほとんどのライダーは苦手意識を持つかもしれませんが、そこはハードエンデューロ、走破力も問われるコース設定になっていて、大逆転も起こります。
このレースで計測されたタイムに、午前のセクションの合計点を×3秒として加算し、合計したタイムが総合成績として順位に反映されました。
2周目で転倒した僕を笑って拍手する仲間たち。
午後のレースでトップチェッカー、逆転優勝を決めた木村聡選手。
ハードエンデューロ特有の仲間感、ゆる〜い雰囲気がGOOD!
セクショントライの待ち時間はわりとのんびりしていて、一緒に並んだ知らない人とセクションの攻略方法について話あったりもしていました。上手い人からアドバイスをもらえたりとお得な場面も。
セクションを全部終えて本部に戻ると缶ジュースをいただけました。その場で近くにいたライダーと談笑。
午後のエクストリームクロスではMCにモトクロスレディースの柳本曙光選手が登場。モトクロスレースで鍛えた流石のトーク術で大会を盛り上げてくれました。もちろん午前中のセクショントライの間もいっぱい喋って待ち時間を楽しませてくれました。
3名のゲストライダー。右から和泉拓選手、石戸谷蓮選手、木村つかさ選手。参加者と一緒にセクションを回って模範演技を見せてくれたり、マーシャルとして運営に協力してくれていました。
実際にレースに参加したので動画も公開!
ハードエンデューロレースのシリーズ戦の一つではありますが、いわゆるクロスカントリー方式のレースとはだいぶ違った雰囲気の大会。ライダーのスキルに関係なく楽しむことができ、まるでみんなで一緒に練習にきているかのようでした。
特にセクショントライにしても、エクストリームクロスにしても、大勢のライダーに「走りを見られている」感が強く、間違いなくレースの主役が自分なのだと感じることができるフォーマットでした。来年の開催はまだ未定ですが、今回参加できなかった方も次の機会にはぜひチャレンジしてみていただきたいですね。