ダカールラリーを目指すためにラリーレイド世界選手権のモロッコラリーに挑戦中の藤原慎也。ステージ3はこれまでの中でも最長を誇る

高さ最大160mに達する大砂丘群

プロローグ+5ステージの日程となるモロッコラリーはステージ3へ駒を進めた。これまで拠点にしていた街ザゴラを発ち、東部のメングブへと進むルートでトータル687kmを走る。モロッコラリーのハイライトとも言える、メルズーガ大砂丘群にアタックするのもこのステージ3だ。メルズーガには最高160mにも達する砂丘が点在し、毎年大変なレースになる。デビッド・カステラは「ここから先は雨の影響を受けていない。砂丘に入ると岩はほとんどない滑らかなサンド質で、昔から使っているクラシックなルートを通ることになります」と説明している。

「3日目でだいぶ慣れてきました。バイクもラリーも初めてだった1日目が一番しんどかったですね。昨日45分のペナルティがついたことでステージ85位、1日目よりも遅いライダー達と走ったこともあって、ペースも速くはありません。でも、あくまでも走り切ることが目的です。これ以上のペースで飛ばすこともできるんでしょうけど、リスクも高くなってしまうし、体力的にも持たないでしょう。理想的なペースを作れていると思います。慣れだした時くらいが一番危ないと思っていますから。

ナビゲーションにもだいぶ慣れました。ウェイポイントの見つけ方とか、しっかり理解できていなかったんですが、ようやく身についたなと。集団でミスコースしてしまったんですが、そのリカバリーもスムーズにできました。

スペシャルステージの半分くらいはやっぱり玉砂利の難しいコースです。砂丘も凄く長くて、感覚的に30km以上ありましたね。めちゃくちゃでかい砂丘が出てきて、ビル10階くらいですかね、めっちゃ楽しかったですね。4速全開ですよ。乗り方も日に日にわかってきました。しかし砂丘はほんとベラボーに暑い……。この暑さは本当に参りますよ、砂丘に入った瞬間に口の中がからっからになるんです。水分全部とられていく感じです」

この最長のステージ3を耐えきった藤原は、楽観視はしていないものの「今日が一番長いのであれば、乗り切れそうだなとも思いました。手の小指が黒くなったり(編注:振動で黒くなるラリー特有の症状)、肩こりがひどかったりはしていますが、大丈夫でしょう。体調は絶好調とは言いがたく、便秘気味で朝ご飯をしっかり食べることができなかったりしています。2週間のダカールラリーを想定しているわけですが、どんどん経験値を積むことができていると思います」と言う。

ラリーは第二の拠点であるメングブのビバークへ到着。ステージ4・5はこのメングブから出発するループルートになる。どちらも400km以下のルートではあるものの、ラリーのクライマックスに向けて厳しさは増していくはずだ。チームメイトの杉村氏は、このインタビュー時点(20:00)でまだビバークに到着していない。