モロッコラリーのリアルタイム参戦記も、vol3へ。ステージ1より長いステージ2で藤原をまたも困難が襲う!

不安が的中、ガス欠でストップ…

1日目同様に、モロッコラリーはザゴラ近郊のループルート。全体で499km、スペシャルステージ272kmと本格的なロングディスタンスの日であった。バイクは5時55分からビバークを出発、7時40分にはスペシャルステージがスタートする。ステージ1時点でのトップはHeroのロス・ブランチで、今年のダカール同様インド・Hero勢の速さが垣間見える。

藤原はスタート時点で「なんか前側タンクがおかしいな」と気づいていたものの、時間もなく慌ててスタートすることになった。ファンティックのマシンは前側、後側にタンクが分かれていて、ライダーがスイッチで操作してタンクを切り替えながら走る。スペシャルステージは序盤から難しく、岩盤に玉砂利が浮いているようなセクションが80kmも続いた。主催のデビッド・カステロによれば「シェガガの砂丘はそのまま残しましたが、天候が厳しかったため、レース進行を優先してコースを変えました。その結果、岩だらけのルートを追加せざるをえなくなりました」とのこと。

「玉砂利のセクションでは、Heroのライダーが大きなクラッシュしているのが見えました。相当難しい路面でしたね。そのかわり、20kmほどの砂丘はステージ1と違ってモロッコ特有の赤い砂で幾分楽でした。赤砂は鉄分を含んでいるようで、少し重いんですよ。ただ、デューンに入る前に前側タンクが空になってしまったんです。そんなはずはない距離なのに、やはりおかしかったんですね。目視では漏れているようには見えないんですが、ともかく空になってしまった。

デューンでガス欠になったらと思うと恐怖でした。ものすごい暑さで逃げるところもないし、地面もすごい熱さなんですよ。死ぬかもしれないな、と思いながら燃費走行を続けました。その努力もむなしく、SSの220km地点でエンジンストップ。ここでレースが終わったか、と思いましたね……。ところが近くに観客がいるのが見えたのでそこまで走って行ってガソリンを分けてもらえないか聞きにいこうと思った矢先、後続のライダーが止まってくれたんです。朝、グッドラックって言い合ったライダーでした。500mlのペットボトルを持っていたのでガソリンを分けてもらったんです。

でも、500mlではやはり足りなかった…。あとガソリンスタンドまで1kmくらいだとわかったので、もうマシンを押し歩き始めていたんですが、今度はクアッドが止まってくれて牽引してくれることになったんです。安心したのも束の間、牽引されている時に四輪に抜かれたタイミングでかなり大きくクラッシュしてしまった。打ちつけた足がパンパンに腫れてしまったんですが、折れてはなさそうでした。こんなトラブルに巻きこまれながらステージは85位(ラリー2クラス68位)、オーバーオールで76位(ラリー2クラス62位)です。それと、今日もタブレットの音が鳴らないトラブルが発生して、そのせいでスピード違反のペナルティ45分がついています。これから抗議に行ってくるつもりです」と藤原は話す。

腫れた足。骨折はなさそうだが、ブーツをはきづらいくらいには腫れてしまった

たった2ステージでトラブルが次々に藤原を襲う。明日は折り返し地点のステージ3で距離も長い。明日こそ、満足に走れることを願いたい。