YZ450FXの本領発揮とばかりにオンタイムエンデューロに立て続けに出てみたシリーズ2本目。戦いの舞台(?)は富山へ

爽快ゲレンデオンタイムED、中日本選手権富山大会

中日本エンデューロ選手権シリーズ 第2戦 イオックスアローザ
6月30日

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オンタイムを完走できずにオンタイムエンデューロを20年も追いかけてきたのか俺は……。そんな悲壮感を胸に挑んだのが、地方選手権の中日本シリーズ。富山のリゾートスキー場イオックスアローザの大会だ。この大会は、友人でもある大神智樹がディレクターとして活躍しているのもあって、ぜひ参戦してみたかったのだ。大神は世界選手権のエンデューロGPを走っている数少ない日本人であり、常々「世界のコースはすごいんだ」と言い続けてきたし、日本に根付いていないエンデューロのジュニアライダーを育てようと奮闘してきた功労者だ。このイオックスアローザも、大神が通い詰めて中日本のエンデューロ開催にこぎつけたそう。

ガミーこと大神智樹(PHOTO/肘爆photo)

パドックは懇意にしているカメラマン井上さんと、またしても登場のセンパイ、キース宮崎さんの合同パドック。気の知れた人たちと参戦すると楽しいよね。モトクロスには慣れてる井上カメラマンもオンタイムエンデューロは初めて。これまたライディングセンス溢れる方なのだが、バイクはCRF100F(7.3馬力)なのでさすがに負けるわけにはいかない。大体実測にして60馬力くらいあるんだ、今のヨンゴー達は(そんなにあんのかよ!)。それと僕のサポートに、小4の次男がついてきた。小6の長男は修学旅行、妻は用事があるので次男があぶれただけ、とも言う。ギャラは新潟県糸魚川市でとれる能生のカニと、おやつ食べ放題である。

道の駅能生にはカニ小屋がある。新潟まわりでレース取材に行くときの、定番ルート

さて、このイオックスアローザ、見るからにコースが厳しい。ゲレンデのレースなのでたくさんの逆キャンバーがあって雨が降ったらもうどうしようもない感じだ。ルートはゲレンデをだーっと数キロ下って上り返す単純な構成だが、やはりキャンバーがたくさん設定されている。「雨が降ったらルートでレース終っちゃうよ?」とか言ってくる人がいるし、戦々恐々である。当日朝は曇りだが、天気予報はだんだん降水量が増えていくという予報から揺らがなかった。意地でも降ってやるという頑なな意思が空に見えた。

レースが始まると、やはり底抜けにヨンゴーが楽しい。特にゲレンデを登ってくるルートはSUGO2デイズエンデューロのような切羽詰まったタイム設定ではないので、ゆっくり下ってがばっと開けながら登ってくるのが爽快。結構な深さの水切りをこえなくてはならなかったのだけれど、ヨンゴーだとひゅっとひと開けするだけでかっ飛んでくれる。最高のヨンゴー向けステージである。小難しいテストも、そこそこ自分では攻められたつもりだった。難しいキャンバーはどうしてもリアタイヤが逃げてしまって、うまくスタンディングを維持できず、マシンを寝かせられない状態でソロソロと走ることになったが、走ってる間はまぁまぁだな、と思っていた。テスト中、数台のバイクにパスされることがあったのは何故なんだろう(遅すぎたからですね!)。ところが、燃え尽きるほどヒートしてきたつもりの僕は、人生初の早着なるものを冒してしまう。いつも優しいオープンエリア中嶋さんが「はい、1分早着ですね〜」と無下に言う。自分の数秒早い時計を見ていて、大会の時計を見ていなかったのが敗因だ。基礎ができていない。こんなことではオンタイムのビートを刻めない。

レースの中盤を過ぎるあたりからどんどん雨脚が強まっていくイオックスアローザ。次男は車から降りてくること無く、ベッドキットに横たわったままiPadで写真を撮ってくれた。ゴーグルとか渡してね、と言ってあったのだが、もし俺が次男だとしてもこんな冷たい雨の中動きたくはない。雨が強まってくると僕にもミスが多くなってきて、ひとつ思い知らされたことがある。それは、ミスをする(転倒)とお尻に泥がつき、シートでお尻が滑ってしまいヨンゴーの豪快な加速に耐えられないことだ。泥がお尻についた周のテストは散々だった。パドックでは、オグショートランポに装備されたシャワーでお尻を毎周洗った。ラスト2ラップは、しっかりスタックもしたし、リズムも崩れ始めてボロボロの体。もうこれ以上走ったら、体力の限界でDNFが見えてきそうだった。なんとか走りきって、NB20名エントリー中16位。NB1位の渡辺朔さんが23分32秒のところ、僕は38分16秒であった。

真夏のレースが続くので、暑熱対策はマジでやってます。平日の3時くらいにインターバル走したり、水たくさん飲んだり。おかげで熱中症にはなってません