1月にWEXに出たよ、と書いてから忙しさにかまけてヨンゴー日記を書けていなかった。「忙しいはずが3つもレースに出てませんでした?」はい……そうでしたね……。3戦分の参戦記を投下しておきます!

半年で21回乗った

忙しくてバイクに乗る暇なんてないよ、と回りには言い続けてきたものの、数えてみたら半年で21日バイクに乗っているようだ。1週間に1度近く乗ってることになる。それにしては上手くなりませんなぁ。手持ちのYZ125は完全封印して、この半年のコース走行ではすべてYZ450FXに乗ってきた。そろそろオーバーホールとかしなきゃいけないんじゃないかな、とか思ってヤマハのアプリパワーチューナーをつないで調べてみたら、29時間29分しか乗っていない。ガソリンは103L炊いてきたらしい。燃費いいなお前(編集部注:開けてない説)。

ヨンゴー乗って銭湯サウナ、の土日がマイライフ。ちょっと跳べるようになった(ヨンゴー乗りのセリフではない)

こうもヨンゴー漬けのバイクライフを送っていると、最初はおっかなびっくりだったバイクにもそれなりに慣れてきた。回さなくちゃ走らない2スト125と同じように、過剰なパワーのあるヨンゴーに乗り続けたら、ある種のスキルが身につくんじゃ無いか、という謎の目論見もある。

何より、ヨンゴーは楽しい。正直、こうしてロングタームで乗ってみるまではヨンゴーに乗ることなんて考えたことも無かった。いにしえの時代からヨンゴーはトップライダー様だけが乗れるものと決まっているではないか。ボクなどお呼びでないし、そもそも開けられないバイクが楽しいものか、と思っていた。だが、オフロードバイクというのはそう単純なものでは無いらしい。大トルクを扱う楽しさは、ボクのような万年ビギナーでも確かに感じられる。怒濤の加速だけでなく、力任せでややこしいセクションをクリアする気持ちよさもある。250では絶対にできない乗り方も、ヨンゴーならできる。アメ車の豊かなトルクが好きだし、SR500は3台乗り継いだ。そうか、ヨンゴーってホビーで乗るならすごく楽しいバイクなんだな、と心底思っている。

打ち砕かれる謎の自信、SUGO2デイズエンデューロ

SUGO2デイズエンデューロ NBクラス
4月27−28日
PHOTO/肘爆photo

10年ほど一緒にシェアハウスしていた友人カッシーとパドックを共にして参戦。カッシーはバイクのセンスが溢れ過ぎているので、初めてのオンタイムエンデューロではあるものの、全然ライバルにはならない。さらにはメカニックとして同じく10年ほど一緒にシェアハウスしていたガーマルも同行してくれた。一緒に住んでいた10年前は一流のメカニックを目指していた男なので、今回も確かなサポートをしてくれるはずだ。

我がヨンゴーにガソリンを入れてくれるガーマル。ガソリン給油はメカニックに認められた作業です

重くてデカいイメージがつきまとうヨンゴーだが、実際にはYZ250FX比で3kgしか変わらない。ただ、大きく違うのはエンジン部分だし、ヘッド部分に重さが集中して重心が高いため、感覚値だと3kg以上の差があるように思うが、要はバイクを倒さなけりゃ、重さによるデメリットは感じないのだ。そう、倒さなければ。そんなことを考えながら、憧れのSUGO2デイズエンデューロに初参戦してみた。SUGO2デイズエンデューロを20年にわたって取材してきたからこそ知っているのだが、近年はそこまでルートが難しくなく、さすがのボクでもオンタイムで走れるだろうと思っていたからだ。タイヤはIRC GX20ソフト、ムースは渡辺学が愛用すると言うX-GRIP SSE2で万全の備え。

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ところがどっこい。今年のSUGOはドライコンディションにも関わらずめちゃくちゃにタフなレースになっていた。多くのライダーが1周目をいつものペースで走っていたら「あれ? ルートがやけに長いな、オンタイムに間に合わないかもしれないぞ」と思ったという。ルート自体がそこそこ難しい設定にされていたようだった。ゆっくり走るには問題ないけれど、ある程度のペースで走るとなるとかなりしんどい。ここにボクのような万年ビギナーが投げ込まれるとどうなるかというと、マジでしんどかった……。1日目の1周目を終えた時点でそもそもオンタイムどころかタイムオーバーになるペース。しかも、吐きそうになるほどしんどい。

肘爆がすげぇかっこよく撮ってくれたけど、そろそろとエクストリームテストを走る僕

下見時にすでに押すことを決めていたショートカットライン。そんなやつはいねぇ

結果から言うと、1日目はガス欠でDNF。2日目はタイムオーバーでDNFだった。1日目はガス欠、と書いたがガス欠しなくてもタイムオーバーしていたのは間違いない。なんでみんなこんなハイペースでルートを走っていられるんだ、と思った。20年ほど前、レースに出始めた頃と同じだ。まわりとのレベル差が激しすぎて、箸にも棒にもかからない。おまけに3年身体を鍛えてきたつもりだったのに、変な自信のある「体力」を真っ先に失った。で、まわりのライダーはどうかというと、口々にキツイとはいうものの軒並みオンタイムで完走している。永遠のライバルだと勝手に思い込んでいた元上司のキース宮崎さんは、遙か雲の上を走ってらっしゃる。すいません、宮崎さん。もう逆らいません。

キース宮崎さん。この余裕……

「やっぱヨンゴーじゃきついよね!」と声をかけてくれる人が多かったけど、実際にはヨンゴーだからじゃない。むしろヨンゴーに助けられたセクションはたくさんあった。ヨンゴーは繊細に走ると言うよりも、ドーンとスロットルをあけてセクションを見ないことにしてワープできる。加速が鋭いとはいえど、和泉拓さんにいただいた「エンストしない低速ボカし」のマッピング設定にしてあるから、著しく体力を失うほどではないはずだ。それに我ながらタイヤのチョイスも素晴らしかった。あまりによかったので、1日目GX20ソフト、2日目GX20スタンダードで履き分けてテストを兼ねるつもりだったのだが、2日目もGX20ソフトのまま走ってしまったほど。ガミータイヤほどヨレないし、土でも食うのに沢でめっちゃ楽。カポカポ上る(ブロックが硬い路面にはりつく稲垣的オノマトペ)。とにかくバイクはいいのだ。なのに、完走はほど遠い。実に悔しい2日間であった。

沢でカポカポのぼるヨンゴー。GX20ソフトもすごくよかった